切なさがじんわりしみる話が多めの七篇。
2011年発売の入試でも定番の作品だ。
難易度の面ではやや難になるだろうな?
翳りのあるのも含めどの短編もいいけど
とくに認知症の祖母の話が印象的だった。
子どもがえりした祖母の求めるなにかを
必死で手に入れようとする主人公の行動。
これが心の隙間にかっちりハマったんだ。
プロポーズの歓喜や別れの寂しさなどに
不思議な世界観も混じってくる話の乱舞。
最終話のきりたんぽの話も超やばかった。
さんざんに揺り動かされちまったもんよ。
まったく、満足度が高いにもほどがある。
昔の感想を見たら超ぶっ飛んでて吹いた。
作者を問い詰めたい。
胸ぐら掴んで締め上げ頭グラグラゆすって白状させたい。
あの中華屋のモデルはどこの店か?
あの惜しみないフカヒレ、マネ出来ない豚バラ飯を味わえるチャンスは、自分にもあるのか、あるんですよ、ね?ね?

もしかしたら、本当にこの人とだったら、私がもう余生だと思っていた人生を、自分が主人公になって、また一から始められるかもしれない。(本文より)