中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

どこまでも跳べる星『ぼくがぼくであるために』(蒼沼 洋人)

誰かに助けを求めること。それが、どれだけ勇気が必要か、ぼくはよく知っていた。(本文より)

 

あと5週間ほどで発売される超ド級作品。

先生の前作は3校以上の入試で出ている。


主人公はマッチョ志向のかわいい系男子。


コミカルなほど男らしさにこだわる彼が

ユニークな友人やダンス女子らとともに

波乱に満ちた中学生ライフを送る物語だ。


ラストにかけての激熱ぶりがやばすぎる。


これを読めば本当に魅力のある人間とは

どう振る舞うかが実感を伴ってわかるよ。


外見にとらわれる薄っぺらさも思い知る。


しかも笑い要素もたっぷりあるんだわ~。

天然君の活躍とかメチャメチャ楽しいの


LGBTQを知るうえでも役立つ一冊だ。


素材文適性はかな~り高いと言い切れる

試しにネタバレを避けつつ列挙してみた。


問題文に使えそうな箇所(一部)

1章〇思わず愚痴をこぼしてからの思考

1章◎誰かのための行動がまぶしい一幕

6章〇少年は尊敬する先輩に会いに行く

6章〇友人のピンチにまさかの振る舞い


適性△を含めると全部で11箇所になる。

特に4章までは8箇所という充実ぶりだ。


物語の面白さは後に行くほど高まるよ~

ぜひ彼らの熱量をその身に浴びてほしい。


難易度は普通なのでターゲット層は広い。

以下、感謝とともに贈る俺のレビューだ。

 

価値観をアップデートできる作品ですね。

子どもたちの必死の振る舞いのなかに、本当の強さを見た気がします。


主人公は無垢な見た目の中学生一年生。


死んでもかわいいなんて言われたくない彼が、男らしさを求めて足掻きながら、思いがけない経験を重ねていきます。


自分にばかりに向いていた少年の意識の変わりようが尊い


誰かのために行動することの美しさが、これほど魅力的に描かれた作品はそうそうないと思います。


ジェンダー意識への働きかけも新鮮そのものですね。

ストーリーに身を委ねることで、自然な形で新時代の価値観を身体に沁み込ませることができました。

 

この物語に触れたら読者の生き方まで変わりそうですよ。

気付けば私も、彼らのように動けないか?と考えたり、差別意識のあるなしを省みていました。


もちろん、この作品の凄いところは考えさせられる点だけじゃありません。


何より楽しい!


主人公の抱えるギャップは、はた目にはスマイリーですし、味のある友人の怪演もありますからね。


ゴリラの場面とかもう吹き出すしかないじゃん!

イルカダンスは想像してニンマリ。


さらに、尊敬できるキャプテンの明るく後輩思いな姿勢には目尻が下がりましたよ。

主人公がキャプテンとともに行動するシーンは必見!


そして、誰からも一目置かれるあの少年に至っては見どころがありすぎるんです。

読むほうも注目するしかない彼の抱え込むものには、アッと驚かされました。


この作品は、見た目なんかよりもずっと大切なものに気づかせてくれます。

きらめく友情に心を洗われるような爽快さも味わえます。


さぁ、あなたも主人公と一緒に成長できるチャンスへ、手を伸ばしてみませんか?

 

いつか、誰かを守れる人へ(2/18頃発売予定)

 

黒一色の教室で、まだきらきら輝くその光を、ぼくはしっかりと受け止めた。(本文より)