萎んだ紙風船のようだった私の生活が丸く膨らみ始めた。(本文より)
道ならぬ恋や愛する怖さなども描かれた
小学生にはちょと早そうな恋愛短編集だ。
バラエティに富んだストーリーなんだが
『風は西から』は子どもでもOKな印象。
運命論者の少年が激しい浮き沈みの末に
災いを福とする心持ちに転じていく話だ。
泣きたくなるほど切ない部分もいいけど
終盤のガチな卓球勝負も見どころだよ~。
全体の難易度はやや難といったレベル感。
マイレビューの一部パートはこんな文章。
これは宝石箱のよう。
年代も性別も、そして嗜好もさまざまな人々の悩ましく、狂おしい慕情に光を当てた短編集です。
人を好きになることの喜びと恐ろしさを堪能できましたよ。
恋心が生み出す不合理な力、そして思いもよらぬ顛末に自分の経験を重ねる瞬間もありました。
気に入ったのは、どん底女性が兄のような存在に救われる『天鵞絨のパライゾ』の一幕。
困っている人に手を差し伸べる際のスマートな気遣いにグッときましたよ。

目がカメラならいのに。今の笑顔を瞳のシャッターで私の脳裏に永遠に残しておきたかった。(本文より)