もしかしたら自分は、訊いてはならないことを訊いてしまったのかもしれない。そう思うと怖くなり、余計に言葉が止まらなくなった。(本文より)
来週木曜日に出る静謐さを湛えた小説だ。
早逝した天才画家の母に囚われる青年の
後ろ向きすぎる感情の変化が刺さるわ~。
序盤は正直、無気力にイラっとしたけど
旅先のビックリで負の感情は消え失せた。
やっぱし風光明媚+出会いは最強タッグ。
小学生の甥っ子の頑張りも見どころだよ。
一般文芸書だし難易度は難しいだろうな。
また俺のレビューから一部を持ってきた。
主人公は生真面目に古本屋勤めを続ける青年。
過去にとらわれ、息をひそめるように生きてきた彼が、甥っ子同伴で亡き母の原点をたどるなかで、思いがけない経験を重ねます。
コレ11歳男子のキャラクターが超ヤバい。
頭を働かせ22歳年上の叔父を導くような、まさかのパワーが詰まってるんです!
一方で子供らしさや繊細さもあってメッチャ好感が持てました。
自己否定におぼれる青年の歩みは、痛いほど胸に迫りました。
淀んだ世界が少年の登場で滑らかになり、島での思いがけない出会いも加わって流れるように動き出すところが素晴らしかったですね。
物語と並走するように、私のこわばった心もふっと緩みました。

この世に生まれてきたこと、存在していることを、罪とされたひとびとがいたということ。その事実が昔からずっと、頭のどこかを占めています。(本文より、ユダヤ系女性の述懐)