なんつう邪気のない笑顔を見せる奴なんだ。よっぽどおめでたい温室育ちなのか。(本文より)
入試に出たことのある作品のスピンオフ。
前作を知ってる前提で書かれているけど
知らなくてもある程度はついていけたよ。
第一話は主要キャラ集結の祭典なんだが
前作未読なら後回しにするといいだろう。
子どもに見せるのを躊躇う話もあるけど
それこそがこの作品の魅力でもあるかと。
素材文適性は、折れそうな期待の新人が
圧倒的な気づきを授けられるパートが◎。
女王様の転機といった趣のくだりですわ。
自分を見失っていた少女が先生の導きで
己の浅はかさを知り頑張るパートは〇だ。
これは後進へ送るエールが沁みる話だよ。
ただし問題文向きの短編とは違う部分に
キリスト教系の学校が忌諱する箇所アリ。
大人が愉しむ分には問題ないんだけどな。
難易度は難しいカテゴリにあてはまるよ。
以下、マイレビューの一部を載せておく。
著者が登場人物に愛情を抱きつつ、ノリにノって書いているのが伝わってきました。
さまざまな視点、時間軸から『spring』の世界を広げ、魅力を補強する姉妹編です。
バレエは門外漢なのですが、それでもときおり舞台を最前列のさらに前で味わうような熱を感じました。
原石のような若い才能の発掘に賭ける『砂金採り』や、過去を振り返りつつ後進にエールを送る『プレパラシオン』の後味が好きですね。
さらに良かったのは『私の青空』。
”彼”がくれた気づきが悩める者を浮き上がらせるシナリオの美しさに参らされましたよ。
この本は愛憎劇という面でもチョー刺激的です。
なんだか筆者の筆が巧み過ぎるせいでバレエ界を誤解してしまいそう。
そんな悪魔的魅力のある作品なのでした。

凄い新人が来た、脅威だ、今にも抜かれそうだ、ってビクビクして、そんなしょぼいイジメをするなんて、わざわざ私たち脇役ですっ、て宣伝してるようなものじゃん。(本文より)