人間ってみんな変り者だもの。(本文より)
古い作品を割と入試で見る作家の新作だ。
葬儀で自宅から出棺する際、参列者達が
唐突に地面に置いたいくつものスイカを
叩き割り出すって風習、想像できるか?
これは本作に出てくるインドネシアの話。
変わってるにもほどがあるって思うよな。
この本には劣らぬ変わり者が出るんだわ。
一時期、特異な生活をしていた家族達の
ままならない人生に光を当てた物語だよ。
様々な人物視点による掌編の集合体かつ
ときに時系列が前後するので難しめかな。
僅かだが子どもに見せづらい箇所もある。
隠れ家めいた居心地の良さのある場所が
迷える少女の救いになる部分は良いよ~。
素材文適性については陽日視点限定だが
なきにしもあらずといった感じだろうか。
問題文に使えるかもしれない箇所
△本がきっかけで始まる新たな人間関係
△陽キャ軍団と向き合い驚きの成り行き
〇友達の友達との出会いで複雑な心境に
△信頼できる大人への相談で気づくこと
これらはすべて友情にかかわるパートだ。
各章とも短いので切り取りやすいだろう。
以下、静かな余韻に浸りつつ書いたのよ。
公共施設の跡地を不法占拠して暮らす3家族の日々とその後に光を当てた物語です。
幼稚園も小学校もスルーするばかりか、病気でも医者に行かせない親には怒りが沸騰!
描かれるのは極端なケースでしたが、大人の勝手に従うしかない子どもたちのつらさが胸に突き刺さりました。
一方で、下の子への面倒見の良さのような共同生活のいい面もありましたね。
ときに親族以上になる仲間意識も素敵でした。
そこで生きた子どもたちの歩みは、やはり育ちに少なからず影響されていて、一人の大人としては考えさせられましたよ。
終幕は江國先生らしい不思議な余韻が残るものでした。

でも、何かを選ぶということは、他の選択肢を手放すということだ。(本文より)