中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

2024-01-02から1日間の記事一覧

月並みじゃない青春『ナカスイ!海なし県の水産高校』(村崎 なぎこ)

中学入試で出題実績が無さそうな著者の 昨年3月に発売された10代向け小説だ。 読みやすい文章で知らない世界のことを 身近に感じさせてくれるストーリーだよ。 素材文適性は程々だが学びは多そうだわ。 12月に続編も出てるから気に入ったら そちらのほ…

まぶしさ溢れる夏の日々『14歳の水平線』(椰月 美智子)

『しずかな日々』で知られている作家の 2015年に出た優先度Aランクの旧作。 この本もまだまだ入試で見ることがある。 ありふれた新刊より先に読むべき名作だ。 すべてにムカついていた主人公の少年が 父の故郷の島でどう変わるかに注目だよ。 読めばキ…

アイデア冴える『満月のとちゅう』(はんだ 浩恵)

興味がない。だからやる、見る、聴く。発見がある。(本文より) コピーライター兼作家の10月の新作だ。 フレーベル館ものがたり新人賞で大賞の 『ソラモリさんとわたし』の続編ですわ。 この先生が紡ぐ言葉はとてもユニークで ちょっとしたフレーズにも煌…

ようこそ、活字の世界へ『さがしもの』(角田 光代)

開くだけでどこへでも連れてってくれるものなんか本しかないだろう。(本文より) 『この本が、世界に存在することに』は 2005年にでた作品集だが、改題して 『さがしもの』になったっていう話だよ。 優先度Aランクの旧作だが今も人気抜群。 同じ作品で…

抑圧と混乱のさなかで『尊敬する人はいません(今のところ)』(中山 聖子)

「その人たちは僕じゃない」(本文より、他人を引き合いに諭そうとする親に対して少年が放った言葉) まれに出題される作家の10月の作品だ。 母と暮らす普通の少女と優等生然とした 少年の視点で子どもの抱えるモヤモヤを 思い切ったストーリーで露わにし…

採用、引きも切らず『サクラ咲く』(辻村 深月)

断れない、はっきり言えない人は、誰かが傷つくのが嫌で、人の傷まで自分で背負ってしまう強い人だと思う。(本文より) 2012年に出た優先度Aランクの旧作。 ファンブックによればこの作品は頻繁に 著作権絡みの許諾申請が来るんだそうだ。 つまり入試…