中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

2021-01-01から1年間の記事一覧

”受け月” に、今を祈ろう、ともに笑おう

普段は神頼みしない人でも入試直前期には、 妙に祈りたくなったりするもんじゃねー? 俺も最近ソワソワしちまって変な感じだわ。 自分を信じて越えてきた誇りがあるっつう 詞が熱い二月の勝者のCD買おうとしたり、 入試出題の作品で言えば『受け月』だとか…

中学受験が悪い、のではなくて・・『サマークエスト』(北山 千尋)

『サマークエスト』(北山 千尋/フレーベル館) 2021.6発売。 地元の図書館で 司書のお勧め本の 中にあった児童書だ。 ここの選書は工藤直子や 八束澄子が入試に出てるし、 俺としては注目してるんだわ。 司書と出題担当者の好む作品には 実際、似たような傾…

前受校を組み替えた

前受校は、偏差値で10は余裕のある先で、 特待合格をぶん取って、本番に乗り込むぞ、 とか書いてたんだが、やっぱしやめにした。 第一の理由は、息子が今まで一度も模試で 緊張したことが無いとのたまってることだ。 確かに、これには思い当たるフシがある…

子どもを潰さないために『中学受験必笑法』(おおた としまさ)

『中学受験必笑法』(おおた としまさ/中央公論社) 本番直前期に 再読したい一冊。 中学受験の世界には 必勝法はないが笑顔で 終わる方法はあるんだな。 やっぱし大切なのは子どもを 潰す思考にとらわれないことだ。 第一志望に合格しなければ意味がないだ…

凸凹4人組の珍道中『ここではないどこか遠くへ』(本田 有明)

『ここではないどこか遠くへ』(本田 有明/小峰書店) 6年生の4人組が 一生の思い出に残る 子どもだけの旅に出る、 という感じの筋書きだぜ。 読みやすいんで、5年生でも 難なく読了できそうな作品だな。 狙い目っぽいのはこんなくだりだ。 富士山行きのあ…

何が少年を磨くのか『南西の風やや強く』(吉野 万理子)

前に『飛ぶ教室』で 大きく扱われてたのに、 今年の入試で出てない本。 そういうの割と珍しいんで、 いちおうチェックしてみたぞ。 受験生には見せたくないかもだが 中学受験をやめちまう少年の話だぜ。 クラスで学力トップという少年が主人公。親に強く勧め…

【本気レポート】2月1日の奇跡 ~或るサピックス生のあゆみ~

「これっ、あのとき特訓でやった文章だ!!最後の最後で、あきらめるしかなかった、あの超難関の!」 今年の2月1日に起きた「とある奇跡」を紹介します。 +++++++++++++++++++++++ 少年は5年生になる直前の2月にSAPIXの門をたたきま…

平易で良質な素材たち『きっと、物語はよりそう』(日本児童文学者協会編)

日本児童文学者協会が選んだ 4つのジャンルの短編集の一つ。 主にミステリーを扱う別の本には、 朝比奈あすかだとか村上しいこ等の 短編もあるがコッチの方が出題向きだ。 共感とか心のふれあいがテーマだからよ。 まぁ、4~5年生向けの話が多いんだけどな?…

家族の愛って何なんだ?『家族セッション』(辻 みゆき)

『家族セッション』(辻 みゆき/講談社) 稀に出題される という作家の新作。 家族のありがたみを 再認識させてくれるぞ。 設定がぶっ飛んでるんだが 親目線でも、子ども目線でも、 ジーンと来るものはありそうだ。 bookmeter.com 概要は読メの方に書いた通…

何より怖いのは人の心かもしれない『夜叉神川』(安東 みきえ)

bookmeter.com 入試で出題実績がある作家の 『飛ぶ教室』で紹介された新作。 人の心に棲む闇を描いた短編集だ。 特にインパクトがあったのは実話が 元になってる『果ての浜』って話だわ。 子供たちを襲う悲劇が描かれてんだよな。 その史実をまとめるとこん…

【二月の勝者】元サピっ子、女王になる

二月の勝者 ―絶対合格の教室―(高瀬志帆/小学館) 6年になってから転塾してきた元サピっ子、 とうとう校舎のトップになったんだってよ。 地元校のアルファには居なかったらしいし 水を変えた決断が大正解だったみたいだわ。 同じく『二月の勝者』みたいで笑…

東大女子、不幸になる説の真偽『プレジデントFamily 2020年夏号』(プレジデント社)

『プレジデントFamily』(プレシデント社)バックナンバーより またバックナンバー 読み漁っての記事紹介。 小学生のやる気を引き出す 科学的に正しい方法っていう 企画がなかなか面白かったわ! まわりに勉強している人がいると、 モチベーションが上がるも…

自然とSDGsが学べてしまう『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2』(ブレイディ みかこ)

子息の学校生活を描きながら 身近なところにある社会問題を 題材にした前作は大ベストセラー。 入試にも何校か採用してたわけだが、 今作では貧困・性別・人種などによる 不平等をさらに多く取り入れてる感じだ。 9月発売なんで2月の入試で出るか微妙だが SD…

狂気に支配された世界で『ぼくがきみを殺すまで』(あさの あつこ)

題名からしてヤバいが 今月の四谷大塚合不合と 日能研の模試で同時出題だ。 少年たちが戦場に駆り出され 主人公の士官学校の同期たちも あっさり、次々と散っていくんだ。 主人公目線で戦時下の狂気を体感して 平和な日々のありがたみを実感できるぞ。 『ぼ…

それは稀有なものなのです『世界でいちばん優しいロボット』(岩貞 るみこ)

『世界でいちばん優しいロボット』(岩貞 るみこ/講談社) 今どき珍しいとさえ思う 良質なノンフィクションだ。 頑張り抜き工夫してみんなを 幸せにする人を追った3編だぜ。 どの話も子供の教育に良さそうだ。 装丁は中学年向きのように見えるが 5年生以上…

イジケ少女、ツンツン少年に伴走する『星くずクライミング』(樫崎 茜)

今年頻出だった『朔と新』は ブラインドマラソンの話だよな。 ジャンルが近いパラクライミングを 扱ったのが『星くずクライミング』だ。 この本も季刊『飛ぶ教室』の紹介作品だし、 出題実績もある著者なんでチェックしてみた。 bookmeter.com 物語の概要は…

45%が開成を辞退する『プレジデントFamily 2020年春号』(プレジデント社)

またまたプレジデントFamilyの バックナンバーに出ていた話だが、 中受で最も重要な課題は勉強嫌いに させないことだと専門家が言ってたわ。 できないところばかり見て親が怒ってると 間違いなく勉強嫌いになるっていうんだよな。 がんばれば成果が実感でき…

一石二鳥の珍作戦とは?『風と雨』(森 絵都)

いやー長かった。 うちの受験生がやっと 入試レベルの本を普通に 読めるようになってきたわ。 楽しく読めそうな作品を選んで 手渡したのが良かったみたいだな。 特に、『金の角持つ子どもたち』には 勉強のやる気を分けてもらったみたいだ。 自発的に頑張る…

水を飲め、さぁガムを噛め『プレジデントFamily 2020年冬号』(プレジデント社)

だいたい1年前の雑誌だが、 この時期にピッタリの内容だ。 不安や緊張で子供が委縮しがちな 折には親の心の安定が特に大事って 話はその通りとしか言いようがないぜ。 なんせ怒ると偏差値が下がるとも言うしな。 イライラを抑える為のテクがなかなか実践的…

元・頻出作家、久々のスマッシュを放つ『青く塗りつぶせ』(阿部 夏丸)

入試で出そうな本を アマゾンで検索すると コレもと表示される本だ。 都会の学校で傷ついた少年が、 開放感溢れる島で奇跡のような 体験をするっていうストーリーだ。 注目したいシーンの要約はこんな感じ。 社会の自習時間に将来のことを話し合う5人。話題…

【本気レポート】彼らは『飛ぶ教室』を見ている

『飛ぶ教室』(光村図書)バックナンバーより どうして前の年まで注目されていなかった作家の作品が、いきなり多くの中学で出題されるのか? 『君たちは今が世界(すべて)』(朝比奈あすか)が開成、海城で出たのはなぜか?『朔と新』(いとうみく)はなぜ…

納得の夫婦喧嘩『雪のなまえ』(村山 由佳)

飛ぶ教室の選書だ。 これは先生が入試で 使いたくなりそうだぜ。 出しやすい箇所が多すぎて 的が絞れないが章の終わりに 見事な見せ場が来ることが多い。 特に、2・4・6章等は終盤だけでも チェックしておくと良さそうに思うぞ。 あと、両親の演説シーンだと…

きっと、タイが好きになる『9月9日9時9分』(一木 けい)

「渡り廊下で出会ったあの日から、私の目に映るものはどんどん輝きを増していく。何もかもがこれまでと違い過ぎて、どうしたらいいのかわからない」(本文より) 女子高生の瑞々しい 恋愛を描いた作品だが 軽いノリじゃないんだわ。 誰にも歓迎されない関係…

出題が予想される物語文『みつばちと少年』(村上 しいこ)

『みつばちと少年』(村上 しいこ/講談社) 何かの賞獲りそうな本だ。 だれかと心を通じ合わせたい。 そう願う発達障害傾向の少年が、 養護施設で素敵な出会いをするぞ。 当り前に育っていない彼らとの関りで 主人公が一皮も二皮もむけるって話だぜ。 今年読…

一生モノの気づきがある『サイコーの通知表』(工藤 純子)

駒場東邦中で 出題実績のある 工藤純子の新作だ。 小4・小5レベルに ちょうどいい感じだが、 俺はスゲー気に入ったぞ。 何しろ、この児童書の中には 一生モノの気づきがあるからよ。 ストーリーのさわりはこんな感じだ。 主人公は小4男子。通知表の全項目…

いまを精一杯生きるということ『時のむこうに』(山口 理)

小3の娘に薦められたが 読解力では小5相当以上の 実力がないと読めないかもな。 今を生きることがどれだけ幸せか 実感させるのに『火垂るの墓』とか 『この世界の片隅に』がいいかな~? とか思っていたが、この本もなかなかだ。 現代っ子達が大変な時代の暮…

中学3年間の学費を偏差値化してみた

初年度納入金+学費2年分 これで算出した3年間の学費を 偏差値化するってのを試してみた。 金額は中学受験情報の「スタディ」の 調査時点の数字なんで、最新のデータは 自分でチェックする必要がある点に注意だ。 対象は四谷大塚偏差値がある首都圏の学校だ…

受験生にも贈れる言葉『ヨンケイ!!』(天沢 夏月)

入試に出そうな作品の 超カンタンな探し方だが 『飛ぶ教室』の新刊紹介より もっとお手軽なのはアマゾンだ。 この商品をチェックした人はこんな 商品もチェックしていますって表示な。 出題本を検索したときに出てくる候補群は、 同じ目的で本を漁った同志の…

首都圏の私学 学費ランキング【偏差値帯別】

中学受験情報の「スタディ」に 初年度納入金の特集があったんで、 偏差値帯ごとに区切って並べてみた。 偏差値は四谷大塚で複数のコースがある 場合や男女の偏差値が違う場合は高い数字。 すべて調査時点の数字なんで、最新のデータは 自分でチェックする必…

明と暗、併読されたし『翼』と『金角』

翼の翼を読みました - Road to 2023 ~のんびり男子の中学受験~ 中受親必読!?『翼の翼』の感想 - 貧乏だけど中学受験〜するのか2023〜 『翼の翼』となにかと 比較されいているあの本。 『金の角持つ子どもたち』の レビュー見てると中学受験への イメージ…