中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

読ませる『七星』、『きみ鐘』は二月の勝者っぽい?

かなり話題性のある新作に気づいたんで、 レビュー予定作品を3冊ばかし追加する。 『空をこえて七星のかなた』(加納 朋子) 2022/5/26発売済み 季刊『飛ぶ教室』最新号で紹介された本。 オモロそうなんで思わず衝動買いしたわ。 6年女子が主人公の章は読…

たぶん、先生は気づけない『星屑すぴりっと』(林 けんじろう)

大半の学校が出題作を決定済みであろう、 8/25という際どい時期に出た新作だ。 前にレビュー予告しておいた本なんだが、 鉄人会の出題予想にも入り注目度上昇中。 新人の登竜門といえる講談社の児童文学 新人賞で佳作だが大賞レベルの面白さだ。 佳作は…

しとしと、しとしと、胸に迫る『雨の日が好きな人』(佐藤 まどか)

ウソでも笑っていると、だんだん本当に気分が良くなってくる。小さいころから、そうやって嫌なことを乗り越えてきた。(本文より) そこそこ入試に出る作家の10月の新作。 9月以降発売の本は来年の表に使うんで、 2023年入試の出典予想には入れない。…

”繊細な海賊”が使えそうな『日向丘中学校カウンセラー室 十人十色、1匹?色の文化祭』(まはら 三桃)

カウンセラー室の中にいるよりも、ずっと大変でした。問題は、むしろ外の方にあるんですね。(本文より) 少し前まで頻出だった作家の7月の新作。 シリーズ2作目だが、前作は俺が珍しく 酷評するほど雑なストーリー展開だった。 今作は先に読んだ娘にうっ…

出題が予想される物語文『宙ごはん』(町田 その子)

自分が作ったもので、誰かと気持ちのいい時間を過ごせる、それはすごいことなのだ。そして多分、とても大事なことでもある。(本文より) 2021年本屋大賞作家の5月の新作だ。 出題実績のない著者だと思うが心温まる ストーリーが評判なんでチェックした…

未知なる現実にふれて『手で見るぼくの世界は』(樫崎 茜)

いつも言ってるが中学受験できるような 恵まれた家庭の子には想像しづらい貧困・ 障碍などを描いた作品は名門校で頻出だ。 ここから学校が求めている人物像が解る。 様々な問題を自分の世界と地続きと捉え、 想像を働かせ、他人を思いやれる子ども。 培った能…

子どもを潰さない学校選びにも『中学受験に勝つ!』(週刊ダイヤモンド2022年9月10日号)

集団での立ち位置は、真ん中よりも上でスタートさせてあげたほうが安心して頑張りやすいでしょう。(記事本文より小川大介氏のインタビューを一部要約) 低学年からの勉強法の特集ではあったが 高学年や中高生にも当てはまる内容だわ。 塾選びだけじゃなく志…

中盤以降で様変わり『ぼくたちはまだ出逢っていない』(八束 澄子)

焦ることはないよ。まだ若いんだから。時が来たら、出会うべき人に出会うし出会うべきものに出会う。それまではとにかく動き回ることだ。(本文より) たま~に入試に出る作家の10月の新作。 2024年以降受験組によさそうな本だ。 とはいえ、入試標準レ…

【2023年入試版】国語出典予想ランキング(2021年9月~2022年8月発売)

12月に未紹介の本を加え最終版をリリース予定 1位 『シャンシャン、夏だより』(浅野 竜) 2位 『ななみの海』(朝比奈 あすか) 3位 『セカイを科学せよ!』(安田 夏菜) 4位 『夏の体温』(瀬尾 まいこ) 5位 『かぞえきれない星の、その次の星』(…

厳しさか、楽しさか『ラベンダーとソプラノ』(額賀 澪)

きびしい練習をすること。きびしい指導をされること。それらを全部否定したら、わたしたちはきっと、ほしいものを何も手に入れられない。(本文より) 小学校の合唱クラブでアルトリーダーの 少女の葛藤を描いたさわやかな児童書だ。 9/14発売なんで来年…

ただでは起きない文学女子『文豪中学生日記』(小手鞠るい)

受験生にはちょうどよい難易度の文だが、 日記形式の部分は出題に使いにくいかな。 とはいえ、えぇっ、そうなの!って思う 箇所もあって思わぬ知識がえられるかも。 例えば、七夕について書いたくだりとか。 もともと七夕の短冊には、文字や習字や文章の上達…

出題されるかもしれない新刊本(2022年10~11月)

今後発売される新作は、ほぼその年度の 入試に出ないが、これがいま気になる本。 ま、近年の桜蔭みたいに秋冬の新作から 出題してくる学校もあるにはあるんだが おもに2024年・2025年組向けだ。 『水底のスピカ』(乾 ルカ)10/5発売 『ぼくたちはま…