中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

音楽が心をつなぐとき『トーキングドラム 心ゆさぶるわたしたちのリズム』(佐藤 まどか)

そこそこ入試に出る作家の7月発売の本。 両親や兄弟の仲が悪くて家が戦場みたい という少女が居場所を作っていく物語だ。 出題されそうな本の中ではかなり易しい。 普通の小5なら十分読めそうな印象だわ。 出すとしたら中堅校から準難関校までか。 俺のレ…

さまよう少女たち『パパイヤ・ママイヤ』(乗代 雄介)

「わたしその時に、一番に愛される期待なんてしないって決めたの」(本文より) 2022年入試でもかなり的中があった 鉄人会の出題予想作品なんで読んでみた。 親のせいで大変な生活を強いられてきた 少女の新奇な夏の過ごし方が描かれてる。 登場人物目線…

理想に燃える教師像『空にピース』(藤岡 陽子)

『金の角持つ子どもたち』で注目された 藤岡陽子の2022年2月発売の新作だ。 一言で言っちまうと6年の担任になった 若い女教師が荒れた学校で奮闘する物語。 困り感のある子をマンツーマン対応とか、 現役教師が読んだら、大変な教育職場で こんなマネ…

その思い出は宝物『すこしずつの親友』(森埜 こみち)

自分の時間を自由に使い、行ってみたいと思うところに行けるというのはなんて素敵なことなのだろう。それが大人になるということならば、わたしは早く大人になりたい。(本文より) デビュー作が鴎友学園、2作目も入試で 使われた森埜こみちの6月発売の新…

しずかちゃんの言葉がけ『プレジデントFamily 2022年春号』(プレジデント社)

『新受験に強い子になる』という特集が 組まれてたプレファミのバックナンバー。 一番惹かれた記事は親の4つの心得だな。 声かけを変えてみようというくだりでは、 しずかちゃんを見習いたいと謳っててよ、 それが思わず膝を打つような話なんだわ。 彼女(…

算・国の難易度に偏りがある学校(中堅校~上位校)

日能研の入試分析会で配布された資料より 引続き日能研オン・ザ・ロードのネタだ。 国語素材文の冊子を狙って申し込んだら、 思わぬお宝があるのを見つけちまったわ。 それが『学校別・分野別難易度一覧』だ。 2年分エクセルに打込んで集計した結果、 偏差…

難問が少ない難関校

日能研の入試分析会オン・ザ・ロードの 資料のうちで、最もお宝だと思ったのは 各校の入試問題の難易度を評価した部分。 「探求したい」が刺激される中学入試問題2022の冊子より 科目だけでなく、単元別にA~Cで評価 しているから、細かい部分の難易度まで…

かな~り易しい『答えは風のなか』(重松 清)

重松清の作品の中ではかなり平易な部類。 『小学五年生』はちょっと難しいという 子どもでも、スラスラ読めそうな感じだ。 ラストを読者に委ねてる作品もあったが、 『答えは風のなか』ゆえタイトル通りか。 短編『おばあちゃんのメモ』は家族愛に ほっこり…

地道に、こつこつがいい『博士の長靴』(瀧羽 麻子)

本人の得意なことを好きにやらせるのが、結局は息子のためになるんじゃないかと。(本文より) 『たまねぎとはちみつ』が2020年に 4校で出題されてる注目作家の新作だわ。 狙い目は博士の弟子が主人公の章かもな。 彼が博士の中三の息子の家庭教師にな…

心も躍りだすリズム『ピアノをきかせて』(小俣 麦穂)

日本児童文学者協会新人賞受賞作であり、 2019年入試では3校で出題されてる。 家族愛があふれる良質な児童書なんだが 主人公の母や姉とは対照的に描かれてる 音楽を心から楽しんでる人達に要注目だ。 俺のレビューの出だしはこんな感じっす。 主人公は…