かなわないってわかってても、願いたいことがあるよね。(本文より)
10分後にココロに効く短編集の第三弾。
サクサク読めるけどテーマに芯があって
ひらめきや発見に出会えること請け合い。
何度も読み返したくなるアンソロジーだ。
十代が共感できる新鮮なネタもたっぷり。
『カノープス』は傷ついて心から好きと
思えることに向き合えなくなる少女の話。
憧れの人との関わりで動き出す気持ちが
読むほうの心も揺さぶってくるんだわ~。
何か凍りついた感情をとかすか要注目だ。
『言ってよ、栗ちゃん』は漫画家志望の
少女の燃える感情がぶっ刺さる話だった。
ちゃんと向き合うことで気持ちが動いて
前向きな行動に繋がるさまが清々しいよ。
やはり子供を子供扱いしない方がいいと
ストーリーが目を逸らさずに訴えてくる。
素材文適性っていう観点だとこの2篇が
9つの作品の中では高かったように思う。
あと不器用女子の『ありのまま宣言』の
愉快なドタバタシナリオに差し込まれる
気づきなんかにもあるかもしれないな?
彼女が失敗を重ねつつ導き出した結論は
メッチャ微笑ましくって気持ちが緩むよ。
他にもオチが最高だったり不思議要素に
惹かれたりと彩り豊かで楽しさが大渋滞。
平易で幅広い層に薦めやすいのもウリだ。
以下はレビューを少し手直ししたものだ。
歯がゆい現実への苦悩がまるで自分事のように響いてきました!
細やかな人間関係の機微にも吸い寄せられたんです。
なんて揺さぶって来るんでしょう。
『金曜日のやきそばフォカッチャ』では悪い方へ膨らむ想像、妄想、暴走に共感しっぱなしでしたよ。
この悪循環は身に覚えがありすぎて。
煮詰まっていた主人公に声掛けしてくる意外なキャラはまるで著者の分身のようでニンマリ。
感謝を伝えることの意味が、好循環のきざしが、胸にジュワ~っと沁みる作品でした。
『愛され顔になりたい』は、大人も子どもも、多くの人が抱えるだろうコンプレックスを白日の下に晒します。
友だちの意外な言葉からの気づきと、芽生える想いが清々しいですね。
そしてパパのうざったい優しさにほっこり。
イギリスで「かわいい」は子どもっぽくて残念って意味、みたいに、どこかで使えるネタもあってフムフム。
『ディア・ダンデライオン』は、向う見ずな少女のちょっとした冒険。
彼女のことをわかってくれる友人のピンチにしゃしゃり出る瞬間が最高すぎる!
いい人との出会いも心に効くんです。
終幕に向けてじわじわ口角が上がる物語でしたよ。
その他にも人生を好転させてくれそうな気づきが盛り込まれた作品が多く、読んでハイおしまいにならない骨太なストーリーがてんこ盛り。
どこから読んでも楽しめるこのシリーズは、どれも強気でお薦めできます。

人生をかけたこのチャレンジに、あたしはついに乗りだすことにした。(本文より)





