中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

どこまでも癒される『ロールキャベツ』(森沢 明夫)

いまは、立ち止まってもええ時なんとちゃうん?(本文より)

 

まれに出題される作家の5月の新作だわ。

出題者がこの本に気づくかは微妙だけど

学生の会話パートが多く結構使い易そう

 

見晴らしの良い場所に椅子をセットして

ゆるい時間を満喫する遊びが題材ですわ。

 

いい若いモンがじっとしてるなんて論外

とか思っちまったんだがこれには深~い

ワケがあって後から納得できるんだな~。

 

生きていく上で役に立つ学びもあるけど

普通の小学生にはちょっと難しいだろう。

 

いつものマイレビューの一部は以下だよ。

 

人生を輝かせるヒントが詰まった作品でした。主人公は誠実すぎる男子大学生。深刻な悩みに縛られていた彼が、素晴らしい仲間と出会い、かかわり合う中で「これだ!」と言えるような生き方を見つけていきます。友情、愛情、家族愛が散りばめられた青春小説の決定版ですね。

 

『ロールキャベツ』感想・レビュー

 

終盤で運命が走り出す(2023/5発売)

 

思いやりの心をはぐくむ『ひと箱本屋とひみつの友だち』(赤羽 じゅんこ)

友情と同情のさかいはどこにあるんだろう。(本文より)

 

まれに出題される作家の6月の新作だわ。

 

タイトルだけじゃ全然わからないんだが、

読んでみたら予想外に深いテーマだった。

 

道徳的要素が多めなんだが読みやすくて

説教臭くもないから楽しみながら学べる

 

特に終盤にいいフレーズが山盛りですわ。

 

ちょっと平易なんで4年生でもいけそう。

ぜひとも親子で楽しんで欲しい一冊だよ。

 

俺のレビュー締めくくりはこんな感じだ。

 

本当は特別扱いされたくない、目立つのもいや、といった車いすユーザーのせつない気持ちや生活上の困りごとが丹念に描かれていて、大人目線でも学びに満ちた一冊でした。私も心のバリアフリーを意識したいと思いましたよ。

 

『ひと箱本屋とひみつの友だち』感想・レビュー

 

作家のサイン会シーンに注目(2023/6発売)

 

大切な人をなくさないために『最高のともだち』(草野 たき)

人って、わからない。なんの問題もなさそうに見えても、本当は深刻な問題を抱えているのかもしれない。(本文より)

 

たまに入試に出る作家の先月の新作だよ。

 

自力で受験勉強を強制させられる少年と

寂しすぎる境遇の少女が主人公の作品だ。

 

ひとの気持ちを尊重することの大切さを

繰り返し訴えかけてくる物語だったな~。

 

児童書であの展開は結構珍しい感じだわ。

大人が身構えそうなくだりなんかもある。

 

ま、終わり方はいいから安心して大丈夫

 

文章難易度は中学入試の出題標準レベル。

俺のレビューの一部はこんな感じっすよ。

 

途中で「これ禁書にした方がよくないですか?」などと感じましたが、完全に誤解でした。特に終盤に込められたメッセージが素晴らしい!子どもたちだけでなく、親世代にも学びが多い作品ですね。

 

『最高のともだち』感想・レビュー

 

彼は天使か、はたまた・・(2023/8発売)

 

出題されるかもしれない新刊本(2023年10月前後)

10月も注目の作品がザクザクな印象だ。

追加で判明したらこの記事に加えてくよ。

 

9/21発売

リカバリー・カバヒコ』(青山 美智子)

夢のある都市伝説にすがる人びとを描く。

 

9/29発売

『はじまりは一冊の本! 』(濱野 京子)

手作り本との出会いが変える少年の明日。

 

10/4発売 ☆先行レビュー済☆

『アップサイクル! ぼくらの明日のために』(佐藤 まどか)

中学生3人がグループ研究で起業する ?

 

10/6発売 ☆先行レビュー予定☆

『満月のとちゅう』(はんだ 浩恵)

閃きのヒントに満ちあふれたストーリー。

 

10/12発売

『東家の四兄弟』(瀧羽 麻子)

風変りな家でそだった兄弟たちのあゆみ。

 

10/18発売

『カーテンコールはきみと』(神戸 遥真)

廃部寸前の演劇部で奮闘する二人の行方。

 

10/15発売

『宙わたる教室』(伊与原 新)

定時制高の科学部が学会で驚きの発表 ?

 

10/26発売

『ルール!』(工藤 純子)

理不尽な校則に立ち向かう中学2年生達。

 

10/30発売

『アオナギの巣立つ森では』(にしがき ようこ)

森の中で凄いものを見つけた二人の秘密。

 

11/14発売

オランジェット・ダイアリー』(黒川 裕子)

友情は距離を超え、国境をも超えていく。

 

11/24発売 小川未明文学賞大賞

『今日もピアノ・ピアーノ』(有本 綾)

小6の男子が出会った夢中になれるもの。

 

少年の世界はどう変わる?(9/29発売予定)

 

毎度言ってるが、未読の作品が多いんで

出題向きじゃないのも多分混じってるよ。

 

発売済みで今後レビューしたい新作

『水車小屋のネネ』(津村 記久子)

『月の立つ林で』(青山 美智子)

アンドロメダの涙 久閑野高校天文部の、秋と冬』(天川 栄人)

『かたばみ』(木内 昇)

 

紹介作品からの出題(2023年度中学入試の国語出典)

どんなに心が挫けても ~或る公文男子の矜恃~

愉快、痛快『いじめにパンチ! あたしの小学校ライフ最後の戦い』(黒野 伸一)

出題実績が無さそうな著者の今週の新作。

高学年の読書によさそうな作品だったわ。

 

主人公が親の権力を笠に着た嫌な男子に

知恵を絞り立ち向かっていくストーリー。

 

負の連鎖を止めるにはどうすればいいか。

 

含蓄ありまくりなおばあちゃんの言葉に

ぜひとも注目して欲しいと思うんだな~。

 

NBAの選手の反則相手へのアピールも

被害者のメンタルには参考になりそうだ。

 

俺のレビューの導入部分はこんな感じよ。

 

爽快にして痛快な一冊ですね。子ども同士のトラブルを描きながら、過疎地の現実まで伝えてくれる逸品でした。主人公は小学六年生。都会では目立たなかった彼女が、引っ越し先の田舎で頼られる存在になり、自分らしい正義感を発揮していじめに立ち向かいます。

 

『いじめにパンチ!: あたしの小学校ライフ最後の戦い』感想・レビュー

 

相手の立場で考えることの大切さを教えてくれる(9/20発売予定)

 

中受小説『中受離婚 夫婦を襲う中学受験クライシス』の話題など

セミフィクションで家庭の危機を描いた

という新刊の情報がアマゾンで出てるな。

 

著者は『勇者たちの中学受験』の先生だ。

前作と同様に実話をもとにして描いてる。

 

公式によれば以下のような紹介文ですわ。

 

中学受験は「夫婦」の受験だ!

首都圏の受験率は過去最高と、加熱一途の中学受験。

「合格から逆算し受験をプロジェクト化する夫、わが子を褒めることができない妻」
「受験への出費をいちいち渋る夫、受験伴走も仕事も下の子の面倒もワンオペする妻」
「夏期講習よりもサマーキャンプを優先したい夫、夫を透明人間のように扱う妻」

子どもは無事に合格したものの、受験期間のすれ違いから破綻してしまった3組の夫婦。徹底取材をもとに、「夫」「妻」「子」それぞれの立場から語られる衝撃のセミ・フィクション! 教育ジャーナリストとしてだけでなく、心理カウンセラーとしての経験を持つ著者ならではの、わかりやすい「解説」も必読。

「夫婦関係を犠牲にしたら、子どもは第一志望に合格する」――そんな悪魔の取り引きがあったら、あなたはどうしますか?

(本の紹介【公式】より)

 

これまたセンセーショナルなのが来たな。

解説付きっていうのも嬉しいじゃないの。

 

早くも親の必読書になりそうな予感だよ

 

大切なことを見誤らないために・・(11/2発売予定)

 

◇当面の中学受験小説のラインナップ

 

10/4発売

『小さな挑戦者たち: ~サイコウの中学受験~』(騎月 孝弘)

東大出の家庭教師が関わることになった

4つの家庭の激闘を描く感動ストーリー。

 

11/2発売

『中受離婚 夫婦を襲う中学受験クライシス』(おおた としまさ)

受験を契機に夫婦のすれ違いが加速する。

危機は子どもの荒みにもつながって・・

 

11/24発売

『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(佐野 倫子)

慶應狂騒曲的な作品のある先生が描いた

6組の親子の学びがある受験エピソード。

子どもたちに届け『夜光貝のひかり』(遠藤 由実子)

こういうのは知っておかなくちゃいけないことだけど、どこかでブレーキをかけないと、自分の心が持たない。(本文より)

 

戦争の話題を織り込んだ少年の成長物語。

出題実績のない作家の6月発売の新作だ。

 

奄美大島で起きた悲劇が超勉強になった。

 

主人公の叔父さんの言動が素晴らしいし、

島の人々のやさしさにも心をいやされる。

 

これは各校の図書館に置いてほしいな~

 

チャラいストーリーだろうと勘違いして

スルーしてきたけど、大間違いだったわ。

 

作問者がこの本に気づくかは微妙だけど、

出題って面では幽霊パートを外す想定で、

5章から先あたりが使えるかもしれない。

 

俺のレビューの始めのほうはこんな感じ。

 

終盤にかけて、心に響くメッセージが、さざ波のように押し寄せてきますね~。少年が海で幽霊少女と出会う軽めの作品という私の予想は、いい意味で裏切られました。主人公は小6男子。夢破れてやけ気味になっていた彼が、叔父が暮らす奄美を訪れて、生涯わすれられないようなめぐり逢いをします。

 

『夜光貝のひかり』感想・レビュー

 

情景や食べ物の描写がうますぎるので、読めば現地に行きたくなるかも(2023/6発売)