中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

新しい発見がある『私学の校舎散歩』(片塩 広子)

コチラさんで紹介されていた新刊本だわ。

 

子どもが学校に関心を持つとっかかりに

なりそうなんで、衝動買いしちまったよ。

 

ふんだんに絵を使った学校紹介なんだが、

元は進学レーダーの人気連載らしい。

 

1校あたり4ページでも情報量が凄いよ。

 

よく知っているはずの学校のことなのに、

この本を見て初めて知ったネタもあるし

 

これは見といて損はないんじゃないかな

 

現時点でアマゾンで定価以上になってる。

既に受験生の親にちょっとしたブーム?

 

このイラストレーターにはうちの学校も

紹介してくれって依頼が来まくるかもな。

 

著者あとがきもイイネ!

 

類まれなる良素材『風を彩る怪物』(逸木 裕)

ちょっと見ただけで3つの県で出ている。

2023年度の公立高校入試で最頻出?

 

公立高と難関中は素材がかぶりやすいし、

今後出題されてもおかしくないだろうな。

 

去年の公立高頻出本も今年中学で出たし。

 

※その他の素材かぶりの例

桜蔭22’&静岡県公立高校23’

豊島岡女子学園23’&愛知県公立高校23’

鷗友学園女子23’&三重県公立高校23’

海城21'&山梨県公立高校22’

※ほか毎年多数あり、上記はほんの一例。

 

『風を彩る怪物』はまれに見る良素材だ。

 

面白いって面でもそうだが特に最初の章、

素材文にしやすい箇所が目白押しだから。

 

とはいえ、凄~くボリューミーな本だよ。

かなりの本好きでないと厳しいかもな?

 

俺のレビューの前半はこんなノリですわ。

 

荘厳な響きが聴覚を包みこむような感覚。まさかこれを本で味わえるとは!主人公は音大志望のフルート奏者と権威あるパイプオルガン職人の娘。困難を前にして目標を見失いかけていた2人が、必死でオルガン作りに向き合おうとするなかで、刺激し合い、確固とした進むべき道を見出していきます。

 

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『風を彩る怪物』(逸木裕/祥伝社

 

今さらながらの『水を縫う』(寺地 はるな)

個性は大事、というようなことを人はよく言うが、学校以上に「個性を尊重すること、伸ばすこと」に向いていない場所は、たぶんない。(本文より)

 

2021年度中学入試の最頻出作品だが、

公立高校でも九州の四県など多数で出題

 

去年も今年も続けて中学入試で出てるし、

新作をチェックする前に読むべき本だな。

 

受験生は第1章だけでも見ておくといい。

無気力系男子に起こる変化が面白いから。

 

以下は俺のレビューの書き出しの部分だ。

 

めんどくさがりで他人に無関心だった高1男子が、姉のウェディングドレス製作に乗り出し、疎遠だった父の協力も得ながら、唯一無二の衣装を作り上げていきます。

 

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『水を縫う』(寺地はるな/集英社

 

入試問題が難しかった学校(2023年 国語編)

今年も、日能研オンザロード配布資料の

入試問題単元別難易度A~Cというのを

数値化する地味~な作業をやってみたよ。

 

去年は算・国の難易度を偏差値化したが、

国語はミスリーディングな値が出るので

今年は算数のみを偏差値にしようと思う。

 

算数の難易度偏差値は後日記事にするが、

とりあえず今日は国語の順位のみを羅列。

 

難関中学の国語出題難易度ランキング

(1位)桜蔭
(2位)麻布
(2位)開成
(4位)渋谷教育幕張
(5位)栄光学園
(5位)海城
(7位)鴎友学園女子
(7位)女子学院
(7位)早稲田
(10位)聖光学院
(10位)市川
(12位)浦和明の星女子    
(12位)渋谷教育渋谷
(12位)筑波大学附属

※計算方法はこの記事の欄外にある通り

※筑駒、早実早大学院等はデータなし

 

※偏差値50台で難しかった学校は以下

成蹊、明大中野八王子学習院女子、桐朋、中大附属横浜、攻玉社

 

※偏差値40台で難しかった学校は以下

日本大学、江戸川女子、西武学園文理桐光学園

 

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まわり道?いいじゃない『雨にシュクラン』(こまつ あやこ)

知りたい気持ちを刺激してくれそうな本。

異文化交流が得意な著者の4月の新作だ。

 

デビュー作が入試に出まくったことだし、

こまつあやこは中受界隈じゃ有名だよな。

 

主人公は憧れ校目指して必死に勉強する。

 

偏差値7ポイントアップで合格するのに、

その先はまさかまさかの展開なんですわ。

 

16歳女子の視点だが読み易い文章だし

受験するような高学年なら読めるだろう

 

人生思い通りに歩めるとは限らないけど

柔軟にいこうって気持ちになれるかもな。

 

以下は俺の先行レビューの中盤あたりだ。

 

ままならない運命に翻弄され、自分を見失っていた彼女が、素敵な出会いに恵まれ、一番大切だと言い切れるものを見つけていく展開は爽やかそのものでした。

 

『雨にシュクラン』感想・レビュー

 

ある意味、母が一番凄いかも



勇気で運命を切り開く『十四歳日和』(水野 瑠見)

勉強ってのはだれにでも与えられた、一発逆転のチャンスなんだからさ。(本文より)

 

日能研の資料に、水野瑠見過去3年で

9校も使われてるとあって驚かされたわ。

 

なんせこの著者、1冊しかない人だから。

全部が全部『十四歳日和』ってことだろ。

 

となりゃ引き続き要注目ってことになる。

 

読めば先生達が気に入る理由がわかるよ。

1冊しかないその1冊が抜群なんだって。

 

俺が昔書いたレビューの一部はこんなだ。

 

中学入学を機にイメージを一新し、地味な親友との距離が開いた主人公。中2になった彼女が、せっかく手にした地位を捨ててまで進むと決めたのは、周囲からは意外に見える道なのでした。

 

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『十四歳日和』(水野瑠見/講談社

 

ところでジェンダーフリーアンソロジー

という5月発売の短編集の著者のなかに

水野瑠見の名前があって気になってるよ。

 

新作じゃない短編が来るんだろうけどな。

出題されるかもしれない新刊本(2023年4月前後)

これから明るみになるのもあると思うが、

4月前後の新作で気になってるのは以下。

 

毎度言ってるが、未読の作品が多いんで

出題向きじゃないのも多分混じってるよ

 

3/15発売 ☆ 先行レビュー済み ☆

『シタマチ・レイクサイド・ロード』 (濱野 京子)

今年も複数校で出てる作家が描く文芸部。

 

3/22発売

『金色の羽でとべ』(高田 由紀子)

小学生のバレーチームにほとばしる熱気。

 

4/5発売

『はるか、ブレーメン』(重松 清)

ちょっとSFテイストが入ってる異色作?

 

4/7発売 ☆ 先行レビュー済み ☆

『きみの話を聞かせてくれよ』(村上 雅郁)

活き活きと中学生たちを描く連作短編集。

 

4/12発売 ☆ 先行レビュー済み ☆

『ハーベスト』(花里 真希)

個性あふれる3人の園芸部員の成長物語。

 

4/12発売 ☆ 先行レビュー予定 ☆

『雨にシュクラン』(こまつ あやこ)

迷える16歳少女、異文化の魅力を知る。

 

4/12発売

スクランブル交差点』(佐藤 まどか)

高校生たちの国際交流は要注目のテーマ。

 

4/12発売

『あえてよかった』(村上 しいこ)

58歳男、学童保育で働き始めるが・・。

 

4/19発売 ☆ 先行レビュー予定 ☆

『27000冊ガーデン』(大崎 梢)

高校の学校司書が身近で起こる謎に挑む。

 

4/25発売

『ノクツドウライオウ 靴ノ往来堂』(佐藤 まどか

靴職人の世界に足を踏み入れる子を描く。

 

5/25発売

『文通小説』(眞島 めいり)

別れがたい友とあえて文通する少女の話。

 

4/12の新刊ラッシュがすごすぎるな。

上記のリストには並べていないんだけど、

天川栄人の部活小説も出るみたいだから。

 

眞島めいりはデビュー作が14校以上で

出題とか新作の販促でも打ち出してるし

引き続き目が離せない感じじゃないの?

 

主人公は偏差値を7つも上げるが・・

 

発売済みで今後レビューしたい新作

『イコ トラベリング 1948-』(角野 栄子)

『この世の喜びよ』(井戸川 射子)

『つぎはぐ、さんかく』(菰野 江名)

『神無島のウラ』(あさの あつこ)