中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

もう一度、あの場所で『八月の御所グラウンド』(万城目 学)

3ヶ月早く出ていれば2024年入試で

台風の目になっていたかもしれない作品

 

入試ではあまり見ない著者の新作だけど

書店で目立ってたし出題者も多分気づく。

 

駅伝の話と草野球の話の二編が入ってる。

 

青春+駅伝=出題の公式に当てはまるし、

『十二月の都大路上下ル』に注目したい。

 

駅伝小説が頻出なのは言うまでもないな

ちょっと思いつくだけでこんだけあるし。

 

『あと少し、もう少し』(瀬尾 まいこ)

『風が強く吹いている』(三浦 しをん)

『駅伝ランナー』(佐藤 いつ子)

『白をつなぐ』(まはら 三桃)

『襷を、君に。』(蓮見 恭子)

 

今作ではいきなりの抜擢にパニクる子が

試合後になって色いろ見えてくる筋書き。

 

高校生たちの友情には思わずニヤリだし、

ユニークな先生の立ち回りも面白いよ~。

 

出題にはちょっと邪魔な要素もあるけど、

かなり素材文適性が高い作品だと感じた。

 

特に大会後に主人公が同学年の仲良しと

サシで話す場面あたりは狙い目かもな?

 

もう一本の表題作、草野球モノもいいよ。

あんま出題向きじゃないが没頭させるし

学びあり、感動あり、それでいて面白い。

 

文章難易度は出題レベルの中ではやや難。

俺のレビューの序盤はこんな感じっすよ。

 

一本目は爽やか駅伝小説。主人公は方向音痴な高校1年生です。覚悟もないまま全国大会に来た彼女が、いきなり大役を任されることになり、冬の都大路で生涯忘れられないような体験をします。ライバルと火花を散らす激アツ展開、好きですね。試合後のやり取りにも、こみ上げてくるものがありました。脇役ながら変な圧のある顧問の先生も面白かった!

 

『八月の御所グラウンド』感想・レビュー

 

すこし不思議な要素を含む(8/3発売)