3ヶ月早く出ていれば2024年入試で
台風の目になっていたかもしれない作品。
入試ではあまり見ない著者の新作だけど
書店で目立ってたし出題者も多分気づく。
駅伝の話と草野球の話の二編が入ってる。
青春+駅伝=出題の公式に当てはまるし、
『十二月の都大路上下ル』に注目したい。
駅伝小説が頻出なのは言うまでもないな。
ちょっと思いつくだけでこんだけあるし。
『あと少し、もう少し』(瀬尾 まいこ)
『風が強く吹いている』(三浦 しをん)
『駅伝ランナー』(佐藤 いつ子)
『白をつなぐ』(まはら 三桃)
『襷を、君に。』(蓮見 恭子)
今作ではいきなりの抜擢にパニクる子が
試合後になって色いろ見えてくる筋書き。
高校生たちの友情には思わずニヤリだし、
ユニークな先生の立ち回りも面白いよ~。
出題にはちょっと邪魔な要素もあるけど、
かなり素材文適性が高い作品だと感じた。
特に大会後に主人公が同学年の仲良しと
サシで話す場面あたりは狙い目かもな?
もう一本の表題作、草野球モノもいいよ。
あんま出題向きじゃないが没頭させるし
学びあり、感動あり、それでいて面白い。
文章難易度は出題レベルの中ではやや難。
俺のレビューの序盤はこんな感じっすよ。
一本目は爽やか駅伝小説。主人公は方向音痴な高校1年生です。覚悟もないまま全国大会に来た彼女が、いきなり大役を任されることになり、冬の都大路で生涯忘れられないような体験をします。ライバルと火花を散らす激アツ展開、好きですね。試合後のやり取りにも、こみ上げてくるものがありました。脇役ながら変な圧のある顧問の先生も面白かった!