中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

思わず声援を送りたくなる『リカバリー・カバヒコ』(青山 美智子)

でも順位なんてさ、いつだって、狭い世界でのことだよ。(本文より) 入試頻出作家の9月に発売された新作だ。 都市伝説に心を動かされる人々を描くが SFチックな話ではまったくないんだな。 素材にする際の妨げになる要素はないし 第一話と第四話なんて特…

たましいの叫びを聞け『ルール!』(工藤 純子)

大人になる前にあきらめることを覚えるなんて、正しいはずがない。(本文より) 入試頻出作家の本日発売された新作だわ。 トラブル当事者になってしまった少女が 理不尽なルールの存在を初めて意識して 校則の見直しに向け動き始めるんだな~。 中学生達が校…

出題されるかもしれない新刊本(2023年11月前後)

11月にも面白そうなのが続々と来るな。 追加で判明したらこの記事に加筆するよ。 10/26発売 『ルール!』(工藤 純子) 理不尽な校則に立ち向かう中学2年生達。 10/30発売 『アオナギの巣立つ森では』(にしがき ようこ) 森の中で凄いものを見つけた二人…

あの先生のお株を奪うような『かたばみ』(木内 昇)

楽な道を選べば、いっとき救われるんや。けどな、努め続けておったらたどり着けたはずの場所から、永遠に切り離される。(本文より) 読友さん達がやたら激賞するもんだから 思わず手にしてみたが確かに大当たりだ。 何が正しいか徹底して考えさせられるよ。…

心に勇気を灯してくれる『ひとりかもしれない』(岩瀬 成子)

わりと入試に出る作家の6月発売の作品。 難易度は3~4年でも十分いけそうだよ。 この先生ってば、いつも思うんだけどよ、 中学年の子に心情の揺れを伝えるのって 言葉選びからして半端でなく難しいけど 今作でも見事にやってくれてるんだわ~。 特に子ど…

アクシデントが最高すぎる『カーテンコールはきみと』(神戸 遥真)

まったくちがう役をやれば自分を変えられると思っていた。でも実際はそんな簡単じゃない。(本文より) 出題はまれだけど注目してる作家による 今週のなかばに書店で並び始める新作だ。 意外な組み合わせの二人が困難を越えて 崖っぷち演劇部に新しい風を送…

【2024年入試版】国語出典予想ランキング(2022年9月~2023年8月発売)

過疎自慢のサイトからひっそりお知らせ。 作品の優劣ではなく出題者が選びそうか。 この点のみで順位付けしたリストが以下。 全てここでレビューを書いた作品たちだ。 表の説明はちょっと真面目に書いてみる。 出典予想ベスト100(1~50位) 私の勘で選んだ…

画期的な中学受験小説『小さな挑戦者たち』(騎月 孝弘)

4人の中学受験生に寄り添うストーリー。 この子たちが、みんないい子なんですわ。 読めば応援せずにいられなくなるほどに。 主人公もがんばり屋さんで共感できるし。 中学受験の心構えを伝えることを主眼に 描かれた小説って点では素晴らしいな~。 使えそ…

ラストがそそる、技アリ素材『後ろの席の菊池さん』(名取 佐和子)

有力作家によるちょうどいい長さの話が いくつも詰まっている季刊『飛ぶ教室』。 ここからの出題が割とあるのは有名だな。 今回は71号から74号が検討対象だよ。 発売時期は昨年の10月から今年の7月。 特に素材文適性が高そうだったのがコレ。 短編の…

どえらいコラボ効果『川滝少年のスケッチブック』(小手鞠 るい)

九十代のおじいちゃんはぼくの隣に座っているのに、スケッチブックのなかでは、十二歳の少年が受験に挑んでいる。(本文より) 著者の祖父が描いたスケッチを元にして、 戦時中の生活をリアルに伝える異色作だ。 絵だけでも小説だけでもできないことが コラ…

今週発売の中学受験小説の話題など

今週『小さな挑戦者たち』が発売される。 4日か6日のどちらかに出るっぽいけど アマゾンが6日としてるんで、書店には 前日の5日には並ぶんじゃねーのかな? ま、手に入ったら早めにレビュー予定だ。 予定といえば、今月は中旬に出典予想の 2024年版…