中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

アノ先生も再降臨『ジェンダーフリーアンソロジー TRUE Colors』(小林 深雪 、にかいどう 青 、如月 かずさ、水野 瑠見 、菅野 雪虫)

抱き合わせアンソロジー?と思ってたが 今じゃそんな自分を責めてあげたい気分。 文学賞受賞作家がズラリと並ぶ短編集だ。 読書が苦手な子も食いつきやすそうだよ。 主に女の子向けなんだが、女子の心情を 問われたらお手上げな男子にもいいかな。 ジェンダ…

心もリノベされていく『ステイホーム』(木地 雅映子)

いろんなものであふれかえった部屋っていうのは、うっかり踏みたくなるリンクがあちこちにうめこまれていて、本文がちっとも読みすすめないページに似てる。(本文より) 受験界では知名度のない作家だと思うが、 高学年によさそうなんでチェックしたよ。 コ…

友情のピンチを描いた『人魚と過ごした夏』(蓮見 恭子)

駅伝小説で有名な著者の来月の新刊だわ。 以前はシンクロと呼ばれてた競技が題材。 3人の高2女子を柱とした青春群像劇だ。 友情をテーマに繊細な心情が描かれてて 素材にしやすそうな箇所が結構あったわ。 とくに、9月の章の終わりのあたりから 11月に…

栄光の選書も凄かった『5番レーン』(ウン・ソホル)

今年の栄光学園の入試問題を見たときさ、 は?海外作品?日本にいいのがあんのに、 とか思ってちゃんと見なかったんだけど、 それが今年の課題図書にもなってんのな。 そんなスゲーの?って思いつつ読んだら、 ものの見事にノックアウトされちまった。 ぶっ…

むしろ心があたたまる『真昼のユウレイたち』(岩瀬 成子)

割と入試に出る作家の今月発売される本。 怖くない4つの中編が詰まった作品集だ。 不思議要素は出題の妨げになりやすいし、 この作品はスルーしようかとも思ったが、 試しにチェックしてみたらこれがアタリ。 特に、小6女子がいじめに真っ向いどむ 『対決…

出題されるかもしれない新刊本(2023年6月前後)

6月前後の新作で気になってるのは以下。 追加で判明したらこの記事に加えてくよ。 5/24発売 『物語の種』(有川 ひろ) 子ども視点の章もあり注目したい短編集。 5/25発売 『文通小説』(眞島 めいり) 親友の急な転校で始まるほんとうの文通。 5/29発売 ☆ …

【本気レポート】入試問題の難易度を偏差値化する(算数編)

今年も日能研オン・ザ・ロードの資料『学校別・分野別難易度一覧』を元に問題の難易度を偏差値化してみました。国語は納得感の薄い数値が出るので、今回は算数のみを対象とし、ブレを抑えるため過去3年の平均を取る形としています。 集計対象は、2021年~202…

すこし不思議な新境地『はるか、ブレーメン』(重松 清)

嫌な思い出よりも、むしろ楽しい思い出の方が、いまの自分を苦しめてしまうことだってあるんだ。(本文より) 頻出だが新作よりも旧作の方がよく出る 重松清の4月に発売された最新作ですわ。 重松清は6月にも気になる作品が出るよ。 『はるブレ』はSF的…

人気シリーズは侮れない『世界は「」を秘めている』(櫻 いいよ)

ぼくの好きなものは、まわりに認めてもらわないといけないものなの?(本文より) 入試や模試でも稀にだが出はじめている 読みやすさ抜群の作家の2月発売の新作。 ジェンダーフリーもテーマのひとつだわ。 正直またかって思わないでもなかったが。 軽~い気…

嫌いなアイツの素顔とは?『ノクツドウライオウ 靴ノ往来堂』(佐藤 まどか)

ブランド名とそのデザインを選ぶか、最高に履き心地が良くて世界にひとつしかない自分のためだけのくつを選ぶかの違いですよ。(本文より) 割と入試に出る作家の4月の新作2冊目。 『スクランブル交差点』より平易な感じ。 中学入試の出題標準レベルの難易…

頻出作家たちに会える!

上野公園のイベントにあの先生が登場だ。 子どもブックフェスティバルのサイン会、 そこに国語素材文でお馴染みの作家達が、 ゾロゾロやって来るっていうハナシだよ。 特に5/5の著者ブースが気になるとこ。 読書大好きな子には刺激になりそうだな。 サイ…

さわやか青春群像劇『スクランブル交差点』(佐藤 まどか)

塾や予備校に行ってるヤツがうらやましい。(本文より) たまに入試に出る作家の4月の新作だわ。 留学生がやってきて低温テキトー男子が かきまわされ熱くなってくのが面白いよ。 異文化交流は割と注目したいテーマだし、 主人公が家計を心配するあたりも大…