中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

友情のピンチを描いた『人魚と過ごした夏』(蓮見 恭子)

駅伝小説で有名な著者の来月の新刊だわ。

 

以前はシンクロと呼ばれてた競技が題材。

3人の高2女子を柱とした青春群像劇だ。

 

友情をテーマに繊細な心情が描かれてて

素材にしやすそうな箇所が結構あったわ。

 

とくに、9月の章の終わりのあたりから

11月にかけては波乱含みで要注目かも。

 

学生だけでなく大人にも薦めたい本だね。

俺的にドキリとさせられたのがこの部分

 

子供同士を競争させて大人が悦に入ってるんだよ。うちの子は強い。私が教えたって、親も先生も。(本文より)

 

こういう一面は勉強にだってあるだろ?

なかなかに考えさせられる作品だったよ。

 

俺のショートレビューはこんな感じっす。

 

迷える高校生たちを描いた青春群像劇。

アーティスティックスイミングが題材という珍しい作品です。

すれ違っていくペアの行方や、本気だからこそぶつかり合うチームメイトたち、人を寄せ付けない少女の危うさなど、序盤から惹き込まれっ放しでした。

衝突シーンもそれぞれの立場が丁寧に描き込まれているから、どちらを応援していいかわからないほど。

それだけ一人ひとりが魅力的でした。

そして、ラストはまばゆいまでのキラキラ感。

やってくれますね。

気づきに満ち溢れていて、大人にも是非にと薦めたくなる一冊でした。

 

レビューロングバージョン

良素材に出題者は気づけるか?(6/21頃発売見込)