あの頃は、僕たち三人がばらばらになるなんて想像もしなかった。(本文より) 体温が下がり心拍数の上がるストーリー。 選書シーズンに書店で平積みだった本だ。 社会派らしいエッセンスが入っているよ。 とくに衝撃的だったのは7歳のふたりが まさかの事態…
ただのページの束に、壮大な知識の海が広がっていた。(本文より) 中学受験界隈で手垢のついてない著者の 9月に発売されたメガトン級の作品だよ。 今回の本は問題文に使えそうなくだりが 秋以降に出た新作では最多となる9箇所。 中受物語文は圧倒的に女性…
いちばんやさしくしてほしい人が、いちばん苦しめるのはなぜなんだろう。(本文より) 約40日後の12月25日発売予定の本。 これは小学生には見せられない系だけど マスク依存の中学女子の葛藤であるとか 恋に悶絶する高校男子も出るんだよな~。 青々と…
わたしの十五歳は、辛い日々だったけれど、同時に世界の明るさを知った年でもあったのよ。(本文より) たまに入試で見る作家の6月に出た作品。 ファンタジーだが割と現実寄りだったわ。 俺なんかにもすぐ入りこめて助かったな。 国同士の争いに子どもたち…
「・・・・・どこで間違えたんだろう」思わずつぶやく。自分は一体、どの時点で間違えたんだろうと。(本文より) 頻出作家の8月20日に発売された作品。 これはもう少し早く出てほしかったな~。 異質な家族のこれまた変わった生き様を 驚くほど繊細に描…
使えるもの、全部使って自分を出し切れ。(本文より) 佐渡島が好き過ぎる先生の先月出た作品。 今作は個性あふれる少年達の成長物語だ。 ちぐはぐ感のあるミニバスケのチームが だんだん形を成していくさまが熱いよ~。 スポーツ物ってしょっぱなから熱血だ…
がんばったって、耳のせいでどうせうまくいかないんだったら、がんばる意味なんてないって思うようになった。(本文より) 10月の期待の一冊に選んだ作品の紹介。 主人公は小学校時代から難聴が始まって 大好きなバドミントンをやめた中二女子。 聴こえな…
わたしは無意識に友だちと近づきすぎないように距離を取るところがあるのかもしれない。あの日からずっと。(本文より) もうじき発売されるいとうみく先生の本。 これは世のため人のためになる物語だよ。 最初に断っておかないといけないことは 今回のレビ…
あのね、あたしみたいな子ってさ、はじめての場所に行くと、そこにいる子たちにわっと注目されるの。(本文より) これは安心して子どもに渡せる系の物語。 もうじき出る小川未明文学賞大賞作品だ。 去年もやさしさあふれる小説だったけど 今年もその傾向は…
まずい。あかりは言ったそばから後悔した。でも、一度言ってしまった言葉は、とりけせない。(本文より) 昨秋発売された中学受験鉄人会の推奨作。 かつてうちの受験生もコチラの推し本に 志望校の本番で助けられたことがあるよ。 特殊設定が活きる筋書きは…
頼任さん学生の頃モテたって聞いてますけどその割に恋愛偏差値20くらいしかなくないです!?(本文より) 宝飾品業界が舞台となるお仕事&恋愛物。 『阪急電車』でも知られる作家の小説だ。 貧困とは対極にある世界が描かれていて 見慣れている本とは別物で興…
11月は2027年入試向け暫定首位の 作品を含め盛りだくさんのラインナップ。 寒い冬をぽかぽか温かくする本が続々だ。 寺地先生の新作はかな~り強そうな予感。 中受未注目作家では日野先生が期待度大。 ま、以下のリストは殆どが未読なゆえに 出題向き…
小六の夏休みの塾通いの目的といえば、ひとつ。中学受験をするためだ。(本文より) 名作『手で見るぼくの世界は』の著者が 描いた差別を考えるきっかけになる一冊。 『手で見る~』は今年少なくとも三校で 出題されていてテーマも近いものがある。 本作は視…
いいかい、みんな?まだはっきりとしないような小さな夢だって、口に出して言うことで、途端に現実味を帯びてくるんだよ。(本文より) 韓国の人気作家が学ぶ楽しさを描いた本。 とことん運命にいじめられる中学男子が 大人たちの大変さを身に染みて味わって…
本が連れて行ってくれる世界は無限に広く、神秘に満ちている。(本文より) 2020年に発売された『水を縫う』や 『タイムマシンに乗れないぼくたち』で 一躍注目を集めた作家の3月に出た作品。 ちょっとしたミステリっぽい空気がある。 同時期にデビュー…
やっぱり、わたしの将来はわたしの手のなかにはない。(本文より) 2025年の読書感想文全国コンクール 中学生の部で課題図書だった海外作品だ。 インドのスラムに住む少女の物語だけど 子供たちの目を覚まさせる要素が満載で さすがの選書だと唸らされち…
みんな、自分が生きる場所よりも、暖かい場所があることを知らないのだ。(本文より) 貧しい家で暮らす少女の成長物語ですわ。 そんな仕事もできないと嫁にいけないと 毎日言われる12歳とか想像できるか? これを裁縫下手な主人公がやられんのよ。 まぁ、…
毎週公園へやって来て、パンとスープを配るのは簡単だ。でも、それで何か解決するんでしょうか?(本文より) 児童文学の世界で脚光を浴びる先生の本。 この著者はSFの作り込みが超得意だよ。 本作は飲食店経営に携わる未熟な少年が 周囲の助けを借りなが…
おれ史上、最強のボスキャラに出会ってしまった気がする。(本文より) 灘中入試で使われた名作『むこう岸』が 今年の都市大等々力中でも採用されてた 安田夏菜先生の来月中旬に発売される本。 タイトル通り議論がテーマの柱なんだが 言葉を武器に相手をKO…
いまは自分にある力をすべてかき集め、あの子の夢を応援したい。(本文より) 入試頻出作家の先月発売された作品だよ。 医療小説、家族小説、受験小説などなど 多彩な側面をもった充実の一冊なんだな。 精一杯生きる母子の姿が胸を打ちまくる もの凄いドラマ…
僕がみんなに感じてほしいのは、戦争の更に向こう側に横たわっている恐ろしいものです。(本文より) たまに入試で見る作家の7月に出た作品。 67年前にタイムスリップした高校生が 反戦に目覚めていくってストーリーだよ。 まぁ、設定からして変わってる…
そうだよ。華道って芸術なんだよ。(本文より) たまに入試に見る作家の来月発売の新作。 小4女子の日常を丁寧に描いた作品だよ。 これは華道への関心の入り口になる上に ハラスメントのイロハも学べる凄い本だ。 周囲の人々の抱える事情が互いの関係に 思…
このシリーズはたまに入試でも見かける。 あと10日ほどで書店に並ぶことになる 剣道物語『まっしょうめん』の5作目だ。 今回は仲間達との最後の試合が描かれる。 不思議なことに、俺、剣道経験ないのに 試合の打ち合いやぶつかり合いの場面が 息遣いまで…
でも、自分の気持ちは、どんなに押し込めても抑え込んでも、勝手にあふれ出してくる。自分の思い通りにはならない。(本文より) 中学受験の女王の9月に出た最新作だよ。 ルッキズムについて考えさせられる話だ。 主人公は中高一貫校の内部進学の高1で 中…
東京の子には、理解できないことなんやな。(本文より) 1ヶ月後に発売される2027年入試で 有力候補になると思われる新作をご紹介。 もう何年も連続して中学入試で出ている ちゅうでん児童文学賞大賞受賞作品だが 無論推すのは文学賞だけが理由じゃない…
相変わらず閑古鳥が鳴きまくるブログが 今年も懲りずにランキングを作成したよ。 作品の優劣ではなく出題者が選びそうか。 この点のみで順位付けしたリストが以下。 全てここでレビューを書いた作品たちだ。 表の説明は少し腰を据えて書いてみたわ。 出典予…
みんなとわたしのあいだには、透明で厚い壁がある。(本文より) 2025年の中学入試で『要の台所』が 少なくとも4校で出てる落合由佳先生の 来月終わり頃に発売される注目作品だよ。 家庭の事情が理由で普通に生きられない 主人公のやるせなさが響きまく…
お金か偏差値。どちらかでいい、この手にほしい。ここから逃げ出したい。(本文より) 受験界で注目を集めはじめている作家の 9月に発売されたパワフルな新作ですわ。 なにしろタイトルからしてヤバいもんな。 中身にはさらに衝撃が詰まりまくってる。 外見…
救急車がけたたましい音を鳴らしながら走りだし、回転灯は闇を切り裂くようにあたりを赤く染め上げていく。(本文より、緊迫の出動シーン) 『線は、僕を描く』シリーズが入試でも 人気の砥上先生の1ヶ月後に出る本だよ。 警官や自衛官と違い命を救うためだ…
人をからかってなにがおもしろいんだろう。人を下に見ていないと、足元がぐらつくのか。(本文より) 名作『一〇五度』が何度も入試に出てる 佐藤まどか先生の先月の作品の一つだよ。 この先生は秋から冬にかけて少なくとも 4冊の作品を送り出すことがわか…