中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

一月の受験

医歯薬系学部の入試に来る人の列を見て気づいた点が二つあるぜ。 一つは今年に限ればママン同伴の受験生が激減したってこと。 信じられんかもしれんが、例年はスゲー多いんだわ。 18過ぎてそれでいいんかって思ってたんだが。 もう一つは医歯薬系の塾のチラ…

【二月の勝者】自分は天才とでも思ってるのか?

むかし大学弓道の日本一を決める王座決定戦で 大本命の学校がまさかの敗退をしたことがあった。 試合直前の練習で過去最高の成績を出した際に 「もう、俺たちが勝ったようなもんだけど」なんて 主将がみんなの前で言っちまったのが敗因らしい。 ハタチ前後の…

特待生が描く夢 『サンドイッチクラブ』(長江 優子)

bookmeter.com サンドアートという砂の彫像づくりを扱う作品で、 集団&個別というダブル塾通いの小6女子が主人公だ。 出来る子に囲まれ自信を失いかけていた彼女だったが、 遊びも学びも全力というもの凄い少女に感化されて 目の色を変えてがんばるように…

公立受検は親が1割? 『公立中高一貫校に合格させる塾は何を教えているのか』(おおた としまさ)

塾の宣伝みたいなタイトルだが、公立受検のことが超・勉強になったぜ。 公立向けの勉強は、暗記の量が私立よりずっと少ないんだってよ。 理社や特殊算が負担になりすぎるが、文章力が抜群って子は 公立中受検も視野に入れていいのかもな。 面白いなと思った…

出題が予想される物語文 『無限の中心で』(まはら 三桃)

これは6月発売、今年の入試に出てもおかしくないわな。 主人公は私立校に通う高2女子で、数学オリンピックを扱うが、 小難しい話はないので、中学受験するような子なら読めるレベルだ。 数学嫌いの主人公が取材のために足を踏み入れた先は数学研究部。 変人…

出題が予想される物語文 『日向丘中学校カウンセラー室』(まはら 三桃)

2020年 桜蔭中 で出た『思いはいのり、言葉はつばさ』の著者の新作だ。 これは11月の発売だし、出題されるとしても来年からだな。 新作で今年狙われそうなのは『無限の中心で』の方だ。 まはら三桃は中学入試ではおなじみの作家だが、 ユニークな題材を掘り…

塾こそ諸悪の根源らしい 『これでも中学受験をしますか?』(出羽 隆)

別の本のとこで書いたことと同様なんだが、この本にも 早慶は高校からの方が入りやすいって記述があるぜ。 この話ってもしかして常識なのか? さて、『これでも中学受験をしますか?』は 中学受験に警鐘を鳴らしまくるユニークな著作だな。 とりあえず、目に…

出題が予想される物語文 『ハジメテヒラク』(こまつ あやこ)

中学入試頻出の物語文はほぼ全部読んでレビューを書いたぜ。 読書メーターを活用したが、まぁだいたい200冊ってとこだな。 さて、『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』を書いた新人の 2作目として去年の夏に出たのが『ハジメテヒラク』だ。 bookmet…

嘘だろ?いじめ回避策 『公立中学校の真実』(為我井 道夫)

ベテラン公立中学教師が書いたぶっちゃけ話だ。 本来なら公に出来ないような本音が出まくってて、なかなか楽しいぞ。 出来る子は、授業中に手を挙げるのはセーブしておいた方がいいってよ。 理由は、成績優秀者は大人しくしておいた方が無難だからだそうだ。…

中央大学附属中 で出題 『バスに乗って』(重松 清)

『中学受験』(横田 増生/岩波書店) 2013年出版の本によ、中央大学附属 は中学受験組の方が少ないが、 高校で上位を独占してるのは中受組だって話が載ってたぜ。 ま、今はどうなってるか知らねーけどな。 似たような話で、東京農業大学第一中 から東京農大…

東京都市大学付属中 で出題『デュエット』(佐藤 多佳子)

共学校に行きたくなる小説で、入試に出るのはこれだ! 7~8分で読める短編なんだが『第二音楽室』に収蔵されてるぞ。 『第二音楽室』収蔵の短編『デュエット』(佐藤多佳子/文藝春秋) 歌の実技テストで男女ペアを作れってとこから話が始まる。 女子が男子に…

吉祥女子中 で出題 『十一月の扉』(高楼 方子)

頻出作家ではないが、たまに出てくるのが高楼方子(たかどのほうこ)だ。 1・2年生の頃、へんてこもりシリーズあたりを読んだ子もいるだろうな。 この作者の高学年向け作品はわりと少女趣味の香りがするぜ。 そのせいだか知らんが女子校での出題が多かったよ…

危うさを避ける知恵 『危ない中学受験』(高濱 正伸)

タイトルは煽り気味だが中学受験を否定するだけの本じゃなかったぜ。 その努力の過程で身につけた知識や学習法、精神的な強さなどは、一生の宝となるかけがえのないものです。(本文より) 私立中高一貫校の教育環境には、公立にはない利点があることは、間…

共学校に行きたくなる一冊 『おなやみ相談部』(みうら かれん)

bookmeter.com 小4おませ女子が学校司書に薦めたっていうんで読んでみたぜ。 まぁ、高学年女子の共学校へのモチベーションを上げられそうな本だな。 「なんだか中学って楽しそう」って思ってもらえれば儲けモノだ。 中1なのにわけのわからない部の部長を任さ…

高入生を抜き去る内進生 『早慶MARCHに入れる中学・高校』(矢野耕平、武川晋也)

中学受験・高校受験・大学受験を横断的に扱った珍しい本だ。 サブタイトルは”親が知らない受験の新常識”。 確かに知らない話が結構あったぞ。 特に 中央大学附属横浜 の情報はありがたかったぜ。 推薦権を保持したまま国公立や医大を目指せるって話とかよ。 …

手をかけすぎた子の落とし穴 『中学受験の常識・非常識』(樋口 義人)

これは少し古い本になるが、普遍性のある内容も少なくないぜ。 受かっても失敗になるケースはあるし、落ちても成功になることもある。 合否に関係なく、経験を糧にできるかは親の対応にかかっているってよ。 あと面白かったのが、手をかけすぎた子は後で苦労…

函館ラ・サール中 で出題 『空へ』(いとうみく)

函館ラ・サール は入試でのPTAの活躍がスゲーな。 東京の試験会場でも大勢応援に出て誘導やら案内やらやるっつうからよ。 私学でも、こんな例はあんまし無いんじゃねーのか! bookmeter.com さて、この『空へ』は過酷な環境で主人公が踏ん張るって物語だ…

徒歩数分にあるSAPIXを選ばなかった理由 『学力の経済学』(中室牧子)

『学力の経済学』はエビデンスのある教育論というのが特徴だ。 学力を上げる言葉かけ、下げる言葉かけ、あるいはご褒美はなにがベターか。 そういった親が気になる話が目白押しだから釘付けになるぜ。 『読書がたくましい脳をつくる』では本を読まない子は勉…