中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

危うさを避ける知恵 『危ない中学受験』(高濱 正伸)

タイトルは煽り気味だが中学受験を否定するだけの本じゃなかったぜ。

 

その努力の過程で身につけた知識や学習法、精神的な強さなどは、一生の宝となるかけがえのないものです。(本文より)

私立中高一貫校の教育環境には、公立にはない利点があることは、間違いのない事実です。(本文より)

 

ただ、親の側の問題で子どもを潰しかねない危うさはある。

そうならないための知恵ってのが前半に散りばめられてんだな。

で、後半は公立中→名門公立高ルートを礼賛しまくりって構成だ。

 

私立志向なら前半に参考になる話が目白押しだぜ。

 

不首尾だったときに親ががっくりした姿を見せるのは大罪だとか、

ネガティブな言葉のシャワーは学習意欲を殺すってのはその通りだな。

 

真面目・頑張り屋・完璧主義の親は熱くなり過ぎて危ういらしい。

この三拍子そろった人間ってのは、世間的にゃかなり優秀だと思うが。

 

あと、トップ校の下位より、成績上位になれる学校がいいって考え方。

これには全身全霊で賛同したいところだ。

 

集団の中で”出来る存在”であるという充足感が、

勉強へのモチベーションを高め、好循環をもたらすって話だ。

 

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『危ない中学受験』(高濱 正伸/幻冬舎

ま、ぬるい世界に染まっちまうのもやばいとは思うからよ。

甘すぎず辛すぎずって環境を選び取るのがいいんじゃねーのか!