中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

あっぱれ!優良図書『ぼくたちのいばしょ~亀島小 多国籍探偵クラブ~』(蒔田 浩平)

つまり、ぼくらの仲を裂いていた犯人は、意外と単純だったってこと。「お互いを知らない」、いわゆる「無知」ってやつだ。(本文より) 10歳前後の子どもに薦めてみたくなる 雑誌『日本児童文学』で激賞されてた本。 副題が「亀島小多国籍探偵クラブ」だし…

学びと共感あふれる『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(佐野 倫子)

お受験・中受小説を出版した実績があり 2024年組母でもある佐野倫子先生の 昨日発売されたばかりの中学受験小説だ。 始めのほうは小説未満じゃねーのか?と イラっとしたんだが途中で著者の意図に 気づいてそっからは一気にのめり込んだ。 中盤からはと…

血が滾り放題の『エヴァーグリーン・ゲーム』(石井 仁蔵)

僕は十代の頃に学んだのだ。悔しさこそが何よりの原動力になることを。(本文より) ごく稀に読み終わった瞬間ウオォ!って 叫びたくなっちまう作品があるんだよな。 今月発売のポプラ小説新人賞の本もそう。 あまりに見事だったんで久々に吠えたわ。 東大卒…

優しさのキャッチボールに癒される『タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース』(窪 美澄)

2023年入試でさっそく使われていた 窪先生の『夜に星を放つ』は有名だよな。 そんな著者の昨年12月に発売された本。 親に捨てられた姉妹のストーリーだけど ちょっと子供にみせたくない部分もあり 紹介するか今の今まで迷ってたんだよな。 ま、心の奥…

出題されるかもしれない新刊本(2023年12月前後)

12月の新刊本はちょっと少な目っぽい。 追加で判明したらこの記事に書き足すよ。 11/25発売 『わたしに続く道』(山本 悦子) 小5視点で日本編とケニア編がある模様。 12/8発売 フレーベル館ものがたり新人賞大賞 『トモルの海』(戸部 寧子) 野球好きの…

試される絆『東家の四兄弟』(瀧羽 麻子)

人間は、己の話を真摯に聞いてくれる相手に悪い感情は抱かない。(本文より) 『博士の長靴』を書いた瀧羽麻子先生の 10月に発売されたばかりの最新作だわ。 この先生は頻出度◎なんで注目したいね。 父親と次男が占い師という一家の日常を 視点をクルクル…

経験を今につなげる『伝言』(中脇 初枝)

みずからをわたくしと呼んだのには驚いた。作業後もお互いに「ごきげんよう」とあいさつをかわしている。(本文より) 『神に守られた島』が頻出だった著者の 8/23に発売された評判の作品ですわ。 名門女学校に通う今でいう中3が主人公。 大戦末期から…

どこまでも尊い生き様を感じる『一線の湖』(砥上 裕將)

誰かのすごく良いところは、実は欠点のように見えるものの中に隠れてる。(本文より) 今回紹介するのは来月13日発売予定で、 入試頻出作『線は、僕を描く』の続編だ。 序盤で小1に水墨画を教える場面があり やさしく基本を説明してくれるおかげで 先に今…

トコトン元気にしてくれる『あなたはここにいなくとも』(町田 その子)

あなたたちは可能性に溢れているのよ。恋も、友情も、夢も、何もかもがこれからなの。(本文より) 今年『宙ごはん』が頻出になった作家の 2月に発売されたオトナの短編集ですわ。 ちょっと子供に見せたくない話も多くて 紹介するかどうか迷ったまま現在に…

ままならない少女たち『どうしようもなく辛かったよ』(朝霧 咲)

道徳的な正しさは、所詮他人事の時だけまかり通るのだ。(本文より) 受験勉強しながら高3で小説現代新人賞。 で、今は京大生ってこりゃまたスゲーな。 今回の紹介作品は9月発売のデビュー作。 中学のバレー部員たちを描く短編集だわ。 さわやかとは対極に…

スランプの先へ『八秒で跳べ』(坪田 侑也)

「覚えておきなさい。不調のときは、成長できる最大のチャンスだ」(本文より) 慶應普通部で労作展のために書いた本で デビューして今は医学部生ってナニコレ。 中3夏休みの自由研究が商流に乗るとか、 そんだけで驚きだけど、その後も凄すぎ。 そんな作家…

【番外編】2024年高校入試 国語出典予想20選(2023年1月~2023年10月発売)

試しに高校入試版の予想も作ってみたよ。 中・高入試ともに選書の傾向は似てるが、 高校は10月の作品も割と出ているから、 中学入試版とは少し違う顔ぶれになるよ。 まぁ、そう当たるもんじゃないだろうな。 2024年高校入試国語出典予想20選 (タイ…

学ぶことの意味がしっかりと伝わる『クロワッサン学習塾』(伽古屋 圭市)

学習は知識ではなく、その先にある“考える力”を、究極的には“よりよい人生”を掴むためにあるものではないか。(本文より) 入試とは無縁っぽい作家の6月の新作だ。 コチラで紹介されてたんで読んでみたよ。 意欲ある元教師が子供達の未来のために 自分に出…

人をたやすく決めつけないで『川のほとりに立つ者は』(寺地 はるな)

あの人だけじゃない。かわいそうな女に手を差し伸べたい男っていっぱいいるの。なんでだかわかります?自信がないからですよ。(本文より) 入試頻出作家の昨年10月の作品ですわ。 本屋大賞でも9位というベストセラー本。 手にした出題者もいただろうと思…

新鮮な驚きもある『ケモノたちがはしる道』(黒川 裕子)

人間にとって得になるか、損になるか。自然とはそれだけで割り切れてしまうものなのだろうか。(本文より) たまに入試に出る作家の来週の新作だよ。 同し時期に2冊でるってんだから驚きだ。 11/9発売 『ケモノたちがはしる道』 11/14発売 『オランジェット…

もう、世間知らずじゃいられない『宙わたる教室』(伊与原 新)

待っているんですよ。我々定時制の教員は、高校生活を一度あきらめた人たちが、それを取り戻す場所を用意して待っている。(本文より) 地学小説という新しいジャンルの開拓者、 伊与原先生の10月に出たばかりの本だ。 定時制高校の異色の文化部が発表の場…

めげない少女が駆ける『ややの一本 剣道まっしぐら! 』(八槻 綾介)

勝ちたいと思うなら正しい努力をしろ。(本文より) 今作でデビューした作家の5月に出た本。 ポプラズッコケ文学新人賞の大賞作品だ。 勢い200%!という感じの剣道少女が 願ってやまない目標のために全力を出す。 主人公の魅力ってのが突き抜けてたな~…