人間にとって得になるか、損になるか。自然とはそれだけで割り切れてしまうものなのだろうか。(本文より)
たまに入試に出る作家の来週の新作だよ。
同し時期に2冊でるってんだから驚きだ。
11/9発売
『ケモノたちがはしる道』
11/14発売
『オランジェット・ダイアリー』
今回紹介する前者では、自然界と人間の
関係について考えさせる場面が多かった。
社会科の勉強になりそうな箇所もあるよ。
特にメガソーラーと馬刺しの章は要注目。
素材文で使うんならこの6章がよさげだ。
主人公と行動をともにする少年の見方が
会話のなかで変わっていくくだりとかな。
学び学びって書いたが面白要素も多めだ。
特に少女の母親の言動ってのが最高過ぎ。
熊本の男達のあったかさも後からジワる。
俺の全文レビューは、こぎゃん感じばい。
主人公は、モンスター狩りのゲームとSNSが生き甲斐という中学1年生。
バーチャルの申し子のような彼女が、急遽、熊本の祖父の元を訪れることになり、濃密な数日間のなかでリアルの狩猟と向き合うことになります。
新鮮な驚きの連続でした!
どこにでもいそうな都会っ子の目線で、ケモノが食べ物になっていく現場を追体験できるとびっきりの一冊ですね。
正直なところ、生々しいのは苦手だと思っていたのですが、気づけば食い入るように読み耽っていましたよ。
猟での命のやりとりには、心の奥底まで揺り動かされました。
こんな凄い作品、他に知らないです。
食育って言葉がありますが、本当はこういう根っこの部分からちゃんと伝えたほうがよさそうですね。
フワっとした印象の主人公がズシリとくる現実を思い知ったあとでどのように変わっていくのか?
ぜひ、注目してください。