中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

もう、世間知らずじゃいられない『宙わたる教室』(伊与原 新)

待っているんですよ。我々定時制の教員は、高校生活を一度あきらめた人たちが、それを取り戻す場所を用意して待っている。(本文より)

 

地学小説という新しいジャンルの開拓者、

伊与原先生の10月に出たばかりの本だ。

 

定時制高校の異色の文化部が発表の場に

思わぬ場所を選んで波乱の日々を送るよ。

 

連作短編集だが、全日制普通科の生徒が

主人公になるパートもあって色とりどり。

 

視野を広げる意味でも有意義な作品だよ。

もちろん、地学分野の勉強にもなるしな。

 

高校生の課題図書にしたら面白そうだわ。

門中学の子たちにもぜひ読んで欲しい。

 

普通の小学生にはハイレベルすぎるけど、

こんなタイトルだし作問者は意識しそう

 

素材文適性はさほど高くない印象な反面、

テーマ注目度は極めて高いと感じたな~。

 

以下は俺のレビューの感想部分になるよ。

 

活力を分けてもらった気がします。思わぬ方向に進みだす彼らの活動が、周囲に熱を伝播させていく様子を目の当たりにして、こちらまで巻き込まれたかのように夢中になっていました。これを読めば当たり前のように思ってきた毎日が、より愛しくなるのではないかと思います。大人だけでなく、学校生活を何となく過ごしているような子どもにも強烈に推したくなる本ですね。

 

『宙わたる教室』感想・レビュー

 

あとがきでモデルがあると知り二度ビックリ(2023/10発売)