中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

未来につながる翼『同じ星の下に』(八重野 統摩)

わたしは、そんなお父さんとお母さんの姿を見てはいつもぞっとして、心底恐ろしくなって、学校ではとにかく必死に、家では隠れてでも勉強をする。(本文より)

 

『ペンギンは空を見上げる』著者の作品。

 

小学生が読むにはNGの部分があるんで

ここで取り上げてもしょうがないんだが

めっちゃ刺さる小説だったんでレビュー。

 

クソ親のもとで暮らす少女が逃げた先は

まったく予期しない場所だったって話だ。

 

これを読むとごく普通の家庭に生まれた

ことが奇跡のように幸せだと感じるかも

 

誘拐された少女とそれを追う刑事視点で

素材文適性はほぼナッシングなんだけど

超面白いし例の出典予想ではオトナ向け

ユニーク作品の定位置である最下位かな。

 

以下は毎度のマイレビューからの抜粋だ。

 

この世の中のどこかに、沙耶のように酷い目に遭っている子どもたちがいることは、忘れていけないと胸に刻みました。

主人公は異常な家で育った中学二年生。

児相を騙る男にさらわれた彼女が幽閉生活のなかで知ったのは、人の気高さであり、優しさでした。

 

『同じ星の下に』感想・レビュー

 

結末は想像を軽々踏み超える(2023/10発売)

 

勉強さえすれば確実に未来が明るくなるわけではない。でも、ただの中学生である私にとって、いま明確に未来に繋がるものは、勉強しかなかった。(本文より)