わたしは、そんなお父さんとお母さんの姿を見てはいつもぞっとして、心底恐ろしくなって、学校ではとにかく必死に、家では隠れてでも勉強をする。(本文より)
『ペンギンは空を見上げる』著者の作品。
小学生が読むにはNGの部分があるんで
ここで取り上げてもしょうがないんだが
めっちゃ刺さる小説だったんでレビュー。
クソ親のもとで暮らす少女が逃げた先は
まったく予期しない場所だったって話だ。
これを読むとごく普通の家庭に生まれた
ことが奇跡のように幸せだと感じるかも。
誘拐された少女とそれを追う刑事視点で
素材文適性はほぼナッシングなんだけど
超面白いし例の出典予想ではオトナ向け
ユニーク作品の定位置である最下位かな。
以下は毎度のマイレビューからの抜粋だ。
この世の中のどこかに、沙耶のように酷い目に遭っている子どもたちがいることは、忘れていけないと胸に刻みました。
主人公は異常な家で育った中学二年生。
児相を騙る男にさらわれた彼女が幽閉生活のなかで知ったのは、人の気高さであり、優しさでした。
勉強さえすれば確実に未来が明るくなるわけではない。でも、ただの中学生である私にとって、いま明確に未来に繋がるものは、勉強しかなかった。(本文より)