中学受験?思い出すだけでゾッとする。いやもう考えただけでも無理、二度とやりたくない。(一章冒頭より、慶應中等部に息子を入れた母親の述懐)
小学校受験を描きあげた話題の新作だよ。
パワーカップルの妻がお受験にはまって
周囲が見えなくなっていくストーリーだ。
学習院などが実名で登場しまくるんだわ。
出題候補じゃないし子供には薦めないが、
親目線では学びと共感が詰まっていたよ。
特に合格請負人みたいな先生の言動には
うなづくしかないものが多々あったな~。
模試の好成績に浮かれる親への言葉とか。
まず最初に言っておきます。今回の結果は忘れてください。(本文より)
ネタバレ回避で書けないがもっと大事で
示唆に富むやりとりが終盤にかけて怒涛。
先生のセリフじゃないが中受組としては
気になる主人公のこんな心情もあったよ。
中学受験も、私立中学の学費も、小学校受験という青天井の課金ゲームに比べれば可愛いものだ。(本文より)
小学校受験はあんま関係ないと思いつつ
軽い気持ちで手にして見事にやられたわ。
一喜一憂し、迷い、戸惑い、揺れまくる。
そんな受験生の親の心情が凝縮されてて。
たぶん中受親にも刺さりまくると思うよ。
俺のレビューの一部はこんな文章ですわ。
親として最も大切なことは、子どもに夢を託すことではなく、どんな背中を子どもに見せるかだと教えられた気がします。
主人公は流され「お受験沼」に迷い込んだワーキングマザー。
娘の受験が生活の全てになっていくなかで、幸せだったはずの家族に思わぬ綻びが生じていきます。
子どもの成績が親の自己肯定感を左右するくだりや、歪んだ自尊心が垣間見える部分など、私にも身に覚えのある狂気が描かれていて、身につまされましたよ。
娘にいい環境を与えることが自分の役割だと思い込んでいました。(本文より)