中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

出題候補じゃないけれど『天現寺ウォーズ』(佐野 倫子)

絶対に失敗できないのよ。帰るところも、逃げるところもないの。......私たちは天現寺が“ホーム”なのよ。(本文より)

 

小学校なのに幼稚園と間違えられまくる

慶応幼稚舎を天現寺と呼ぶんだってな?

 

その小学校お受験を描いた作品がこれだ。

本物の上流階級が垣間見える珍しい本だ。

 

伊勢丹写真室で志望校を伝えると家族の

立ち位置や表情まで助言してくれるそう。

で、他の写真館もはしごして撮りまくり

お教室の先生にいいものを選んでもらう。

 

庶民はなんじゃそりゃって思うとこだが

もっと驚いたのは旅行先指定のくだりだ。

 

あと俺的に面白かったのは慶應幼稚舎

致命的な欠点があるというやりとりだな。

 

まぁ、関心があったら見てみるといいよ。

 

この作品には『御三家ウォーズ』も収録

されていてじつは中学受験編の方が長い

 

これについてはこの後記事にするんだが

まず小学校受験編のレビューを付けとく。

 

元CAの専業主婦が、周回遅れで幼稚舎のお受験に参戦し、カルチャーショックを受けながら過酷な道のりを邁進します。

小学校受験異世界ぶりに圧倒されました。

なんだこの奇習は!

旅行先までお教室で指定される?

複数の写真館をはしご?

上流階級と同じ土俵にかじりつこうとすると、それなりの難儀があるのですね。

そんな特異な世界で、主人公一家が翻弄されながら、どう厳しい現実と向き合っていくのかが見どころ。

彼女の心情には共感できるところも多く、その葛藤や、気づきや、決意には私も力をもらえた気がします。

 

『天現寺ウォーズ』感想・レビュー

 

主人公まわりの狂気がヤバい(2021/8発売)