絶対に失敗できないのよ。帰るところも、逃げるところもないの。......私たちは天現寺が“ホーム”なのよ。(本文より)
小学校なのに幼稚園と間違えられまくる
慶応幼稚舎を天現寺と呼ぶんだってな?
その小学校お受験を描いた作品がこれだ。
本物の上流階級が垣間見える珍しい本だ。
伊勢丹写真室で志望校を伝えると家族の
立ち位置や表情まで助言してくれるそう。
で、他の写真館もはしごして撮りまくり
お教室の先生にいいものを選んでもらう。
庶民はなんじゃそりゃって思うとこだが
もっと驚いたのは旅行先指定のくだりだ。
あと俺的に面白かったのは慶應幼稚舎に
致命的な欠点があるというやりとりだな。
まぁ、関心があったら見てみるといいよ。
この作品には『御三家ウォーズ』も収録
されていてじつは中学受験編の方が長い。
これについてはこの後記事にするんだが
まず小学校受験編のレビューを付けとく。
元CAの専業主婦が、周回遅れで幼稚舎のお受験に参戦し、カルチャーショックを受けながら過酷な道のりを邁進します。
なんだこの奇習は!
旅行先までお教室で指定される?
複数の写真館をはしご?
上流階級と同じ土俵にかじりつこうとすると、それなりの難儀があるのですね。
そんな特異な世界で、主人公一家が翻弄されながら、どう厳しい現実と向き合っていくのかが見どころ。
彼女の心情には共感できるところも多く、その葛藤や、気づきや、決意には私も力をもらえた気がします。