中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

学びと共感あふれる『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(佐野 倫子)

お受験・中受小説を出版した実績があり

2024年組母でもある佐野倫子先生の

昨日発売されたばかりの中学受験小説だ。

 

始めのほうは小説未満じゃねーのか?と

イラっとしたんだが途中で著者の意図

気づいてそっからは一気にのめり込んだ。

 

中盤からはとくにエモくなっていく感じ

6番目のゆる受験エピソードなんて最高。

 

やっぱし思い通りにならない現実の中で

足掻くストーリーは訴求力が抜群ですわ。

 

俺のたぶん世界最速なレビューがこれだ。

 

お受験小説『天現寺ウォーズ』著者の新作。

お子さんが今まさに受験学年という作家が、取材と実体験をもとに描いた6つの中学受験ストーリーです。

正直、小説というよりプロット、あるいはダイジェスト寄り?と感じるエピソードもありましたが、多くの事例から効率的に大切なことを伝えるという意味ではベストの選択ですね。

理想と現実のはざまでのたうち回る家族を客観視することで、私も自分自身を見つめ直すことができました。

特に響いたのはエピソード6。

見たくないものを見てしまった母の心情に共感しきりでしたよ。

エピソード4の悲壮で、尊い決意にも、こみ上げてくるものがありました。

塾や学校が実名で登場しまくるところもこの作品の美点ですね。

だからこそ、読者がストーリーを現実にイメージしやすい仕上がりになっています。


子どもが笛吹けど踊らないとき、親として何ができるのか?

決断に次ぐ決断を、何をよりどころに乗り切るか?

過酷な道のその先に何を見るか?


そんな問いへの答えやヒントが、ぎっしりと詰まった一冊だと思います。

 

『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』感想・レビュー

 

エピソードと論説パートの相乗効果アリ(11/24発売)

 

本書に実名登場する塾、講座、学校

SAPIX 早稲田アカデミー 日能研 四谷大塚 フォトン算数クラブ SS特訓 土特 NN 麻布 海城 開成 恵泉女学園 女子学院 フェリス 早稲田実業 ほか多数