中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

血が滾り放題の『エヴァーグリーン・ゲーム』(石井 仁蔵)

僕は十代の頃に学んだのだ。悔しさこそが何よりの原動力になることを。(本文より)

 

 ごく稀に読み終わった瞬間ウオォ!って

叫びたくなっちまう作品があるんだよな。

 

今月発売のポプラ小説新人賞の本もそう。

あまりに見事だったんで久々に吠えたわ。

 

東大卒作家がチェスを題材に描いた本作。

ひりつくような勝負がとにかく熱いんだ。

 

これに作問者が気づけるかワカランけど

素材文適性はとくに序盤が高かった印象。

 

第一章 素材文適性◎

小5男子が入院先で同い年の少年たちと

交流する筋書きで使えそうな箇所が複数

 

第二章 素材文適性○

高2男子視点で少し際どい部分もあるが

少女と喫茶店で向き合うシーンは良さげ

 

第三章 素材文適性△

目の見えない少女を駆り立てるは復讐心。

 

第四章以降は子供に見せたくない場面が

ある一方で、面白さも爆増していく感じ。

 

凄すぎて語彙力がどっか行っちまったよ。

その結果、レビューはこんな書き出しに。

 

滾るわ~。

熱量が尋常じゃない!

波乱に満ちたチェスプレイヤーたちの人生が大きな節目で交差し、共振し合った末に、とびっきりの舞台で激突します。

チェスのルールを知らなくても夢中になれるバケモノ級作品。

メインキャストたちは生い立ちから背景が描かれ、それがまたどれもこれも感情移入させまくるんです。

盛り上げて、盛り上げて、ドカーンですからね。

終盤はまさに世紀の一戦の連続。

ぶっ通しでかじりつく以外ありませんでした。

 

『エヴァーグリーン・ゲーム』感想・レビュー

 

この作品こそがエヴァーグリーン(不朽)だ!(2023/11発売)