中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

【本気レポート】どんなに心が挫けても ~或る公文男子の矜恃~

今回紹介するのはピアノをこよなく愛する少年の受験エピソードです。 彼は繊細で落ち着いた雰囲気をまとっている一方で、剣道に打ち込み続ける中で培った熱も内に秘めています。 迷いながら進む彼ら親子の歩みの中には、大切な、大切な気づきがあります。 こ…

傷口に癒しを塗り込む『ぼくはなにいろ』(黒田 小暑)

新米作家の1月に発売された2作目だわ。 これは紹介するかどうか、かなり迷った。 出題実績ナシ、官能要素アリだったんで。 大人パートと中学生パートに分かれてて、 前者は子供向けでない描写が一部あるが、 後者は素材文適性が抜群なんだもんな~。 不登…

外せない力作、入試定番作品8選より『給食アンサンブル』(如月 かずさ)

大事なのはハート。変わろう、というハートがあれば、どんな小さなきっかけでも人は変われる。(本文より) 一歩踏み出す勇気をくれるアンソロジー。 今年も入試で使われてた定番中の定番だ。 前に紹介したように2も出ているんだが これを機に1にも注目し…

スルーされて欲しくない『虹色のパズル』(天川 栄人)

中学入試でも注目され始めた作家の新作。 LGBTのみならず生きづらさを抱える 多くの人びとの共感が得られそうな本だ。 ジェンダーフリーが深掘りされててイイ。 終盤なんて大人世代も必見だと感じたよ。 タイトルに込められた想いってのも粋だ。 頭の固…

これはオトナの短編集『獣の夜』(森 絵都)

頻出作家の新作だが子供向けじゃないわ。 一校ぐらい素材文にする学校があるかも 知れないけど要チェックって程じゃない。 表題作なんて子どもには見せたくないし。 大人の男女のどうしようもなさが・・ね。 一応、小4男子視点の掌編もあるんだが 素材文に…

出題されるかもしれない新刊本(2023年8月前後)

8月ともなると、その年度の中学入試で 選ばれる作品がガクンと減ってくるわな。 大体の先生は既に心に決めた一冊がある。 一方、決め切れてない先生も少しはいる。 そんな際どい時期の新作を紹介していく。 追加で判明したらこの記事に追記するよ。 7/20発…

冴えわたる崩しの妙『教室のゴルディロックスゾーン』(こざわ たまこ)

「そんなんだから、いじめられるんじゃないの?」思いがけない言葉に、頭が真っ白になった。(本文より) 中高生に刺さりそうな要素満載の新作だ。 受験界隈じゃ手垢のついてない著者だが この作品は埋もれたお宝って気がするな。 物語に「崩し」が入る場面…

新人作家、王道を往く『エール! 主人公なぼくら』(室賀 理江)

室賀理江の5月発売のデビュー作ですわ。 文章も構成もまったく新人ぽくない感じ。 少年の成長を描いてく展開はまさに王道。 成長のきっかけの部分は新しいけどな? 素材文適性は結構ありそうに俺は感じた。 王道ど真ん中で粗削りな感じもしないし。 入試出…

ヤングケアラーに自由を『藍色時刻の君たちは』(前川 ほまれ)

自分を犠牲にして他人を助けることは、そんなに大事なことなんだろうか。(本文より) 出題実績がなさそうな著者の新作ですわ。 高校生らしい生活もままならない3人の ヤングケアラーの歩みを描いた衝撃作だ。 文科省調査だと世話している家族がいる 小学生…

新たな定番作品あらわる『この夏の星を見る』(辻村 深月)

4月から俺が騒いでた作品がついに出た。 これは入試で長年使い続けられるだろう。 2024年版は秋以降にリリースするが もし2023年版の出典予想に混ぜたら まちがいなく1位になっているレベルだ。 何しろ素材文に適した箇所が多すぎるよ。 前に出題…

激アツ、胸アツの新境地『どすこい!』(森埜 こみち)

たまに出題される作家の1月発売の作品。 清らかな物語をつむぐイメージの著者が 新境地に挑んだ感のある熱血相撲小説だ。 紹介してきた本の中では最も易しい部類。 普通の4年生でも十分に読めるだろうな。 3年生以上の模試によさそうな感じだよ。 主人公…