中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

冴えわたる崩しの妙『教室のゴルディロックスゾーン』(こざわ たまこ)

「そんなんだから、いじめられるんじゃないの?」思いがけない言葉に、頭が真っ白になった。(本文より)

 

中高生に刺さりそうな要素満載の新作だ。

受験界隈じゃ手垢のついてない著者だが

この作品は埋もれたお宝って気がするな。

 

物語に「崩し」が入る場面って素材文で

選ばれやすいがこの作品の崩しは強烈だ。

 

特に序盤の荒れる場面はゾクゾクする程。

 

強烈すぎて素材に向かないかと思ったら

3章前半から使えそうな場面がザクザク

 

全6章のうち3・4・5章は特にいいよ。

このあたりは素材文適性が抜群って印象。

 

3章『割り切れない私達』

4章『ホモ・サピエンスの相変異』

5章『教室のゴルディロックスゾーン』

 

鳥肌モノのシーンもいくつかあったわ~。

3と4なんて是が非でも読んでほしいよ。

 

現実と妄想の境目が曖昧な少女を描いた

最初の章は、率直に言って読みづらいが

これは重要な伏線なんで黙って読むべし

 

学校生活を生き抜く知恵も得られそう

この本は難易度的には「やや難」あたり。

小6で読めたらちょっと凄い子だと思う。

 

俺の喝采レビューはこんな書き出しだよ。

 

中学生女子の複雑な人間関係を、つまびらかに描き抜いた連作短編集。心に何らかの枷を抱える少女たちが、傷つき、傷つけ合いながら、ままならない現実と折り合いをつけるすべを追い求めます。

 

『教室のゴルディロックスゾーン』感想・レビュー

 

お宝を作問者が見つけられるかは未知数(6/28発売)