中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

その生き様が魅力的な『あけくれの少女』(佐川 光晴)

「大人には大人の事情がある。多少は気になるじゃろうが、子どもは知らん顔をして、よくあそび、よく学べばいい。そして世の中に放りだされても生きのびていけるだけの力を、どうにかして身につけるんじゃ(本文より父の言葉)

 

有力な出題候補作の紹介が続いていくよ。

 

佐川光晴先生は入試でおなじみだよな?

本作品は昨年12月に発売された新作だ。

 

合理的に考えるクセが身に付いた少女が

心に描く夢に向けて突き進むストーリー。

 

本人はすんごい頑張るのに環境がヤバイ

それでも折れずに生き抜く生き様が凄い

 

夢のために必死に学んだ英語が身を助け

一生懸命な姿が周囲をも惹きつけていく。

 

自学力が幸せにつながる点でもいい話だ。

 

3章はお仕事小説、4章は恋愛小説だし

素材文適性は1・2章のほうが高めだよ。

 

とくに良さそうに感じたのが以下の部分。

 

第一章『尾道スクールデイズ

素晴らしい顧問のいる英語部に入部して

仲間達と朗読劇で活躍・・素材文適性〇

 

第二章『飯田橋・キャンパスライフ』

大学受験の勇気ある挑戦を応援したいと

親友ミサから救いの手・・素材文適性△

 

あとは四章の英語力が活きる場面が△か。

他にもよさそうなパートはあるはずだよ。

 

二章に子供に見せるか迷う部分もあるが

まぁ失敗の教訓としてはアリかもしれん。

 

国語素材としての難易度はやや難に分類。

以下は俺のレビューの前半部分になるよ。

 

将来の夢は英語教師。

小学生のころから家事をこなしながら勉学に励んできたまっすぐな少女が、身につけた力を生かして逆境に対峙し、運命を切り開いていきます。

これは応援したくなる!並外れた努力と合理的な考えで人生を変えようとする主人公の生き様に圧倒されました。

 

『あけくれの少女』感想・レビュー

 

爪の垢を煎じてゴクゴク飲ませたくなる(2023/12発売)