中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

どこまでも尊い生き様を感じる『一線の湖』(砥上 裕將)

誰かのすごく良いところは、実は欠点のように見えるものの中に隠れてる。(本文より)

 

今回紹介するのは来月13日発売予定で、

入試頻出作『線は、僕を描く』の続編だ。

 

序盤で小1に水墨画を教える場面があり

やさしく基本を説明してくれるおかげで

先に今作を手にした俺としては助かった。

 

学校が舞台になる大事なシーンもあるし

素材文適性はわりと高いって印象ですわ。

 

ま、テストとか関係なしに薦めたい本だ。

 

とくに4章の終盤が俺には刺さりまくり。

思わずダッシュで前作も入手しちまった。

 

今作が親切設計とはいえ、順路の通りに

読んだほうが楽しめるのは間違いないよ。

 

俺が出版社に送った先行レビューは以下。

 

主人公は重すぎる喪失を経てもなお、険しい絵師の道を歩み始めた青年。

運命に翻弄される彼が大きな壁にぶつかり、心まで折れそうになりながら、あたたかな人々に支えられて尊い一歩を刻んでいきます。

一門の家族同然のつながりに、何度も胸を打たれました。

子どもたちとの関わりが、たくさんの気づきをくれるところも素晴らしかった!

師のおちゃめな遊び心には頬が緩む一方で、終盤の長いセリフにはこちらまで気が引き締まる思いでした。

そして、ラストの躍動感も凄い!

舞踏のような華麗さを兼ね備えたあの場面には、陶然と感じ入るしかなかったです。

小説として十分すぎるほどに魅力のある本作。

早くも映像化が楽しみになってきましたよ。

 

小学生とのかかわりも鍵(12/13発売予定)