中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

出題が予想される物語文 『ハジメテヒラク』(こまつ あやこ)

中学入試頻出の物語文はほぼ全部読んでレビューを書いたぜ。

読書メーターを活用したが、まぁだいたい200冊ってとこだな。

 

さて、『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』を書いた新人の

2作目として去年の夏に出たのが『ハジメテヒラク』だ。

 

bookmeter.com

 

前作は2019年度入試で出まくったから、この界隈じゃ有名だよな。

頻出作家の新作っての結構入試で狙われるから要チェックだぜ。

発売時期から考えて今年はまだ出題されないと思うけどな。

 

主人公は私立の中高一貫進学校に通い始めたばかりの女子だ。

小5のつらかった時期、頭の中で目の前のことを実況中継することで

やり過ごした彼女が、中学では嬉しい発見をしまくるって物語だぜ。

 

この作品が教えてくれるのは、ヒトコトで言っちまえばよ、

人に関心を持って接することの大切さってやつだな。

 

一つの方向から見た姿がすべてじゃない。くるっと回せば、誰だっていろんな面が見えてくる。(本文より)

 

生け花を扱った作品だが、『スコーレNo.4』『つぼみ』より

ずっと平易だし断然取っつきやすい。

 

孤独でつらい時期を乗り切るための工夫なんかも参考になるが、

基本、楽しさあふれる中高一貫ライフが描かれているから、

受験生だけじゃなく入学待機組にもいいかもな。

 

 

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ハジメテヒラク』(こまつ あやこ/講談社