中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

2024-01-01から1日間の記事一覧

多彩なテーマを綺麗に織り交ぜた『わたしに続く道』(山本 悦子)

わたしはさ、差別されるのが黒人だけってとこが気に入らない。白人は差別されないのに。(本文より) 発売日が11月下旬だったんで外したが 桜蔭向けの企画に入れるか迷った新作だ。 かなり平易だけどテーマ注目度がMAX。 主人公の揺れる心情も問題で問…

未来の可能性を信じて『君たちは今が世界』(朝比奈 あすか)

親や先生が護ってくれる世界は、いつか終わってしまうからね。(本文より) 2019年に出た優先度Aランクの旧作。 この作品も長く使われている印象ですわ。 目先のことにばかりとらわれる子供達に、 自分を俯瞰するきっかけをくれる物語だ。 今がつらい人…

鮮やかに伏線が活きてくる『小公女たちのしあわせレシピ』(谷 瑞恵)

好きな本からはきっと、いろんな影響を受けて、成長期の心には深く刻まれているんでしょうね。(本文より) 『神さまのいうとおり』が2022年に 出題されて注目された作家の10月の本。 桜蔭の企画に入れるか迷った本でもある。 ま、作問者が相当アンテ…

白いほうの代表作『島はぼくらと』(辻村 深月)

好きなことを続けるためには、好きじゃないこともたくさんやっといたほうがいいよ。(本文より) 2013年に出た優先度Aランクの旧作。 辻村深月先生の作風は黒いのと白いのに 大別できるけど、これは頻出の白い方だ。 地方に住む高校生たちの瑞々しい日…

人生を豊かにするアイデア『今日もピアノ・ピアーノ』(有本 綾)

自分で考えて、自分で決めたほうが、後悔しないし、なにより一生懸命になれるからね。(本文より) 小川未明文学賞大賞作品がついに出たよ。 この賞は受験界でも注目度高めだろうな。 嫌々受験塾通いしている少年の話だから ああ、後半で自己主張して撤退す…

読書が初級の高学年には『クラスメイツ』(森 絵都)

あたしを不安にさせる影は、他の誰でもない、あたし自身がこしらえたものだ(本文より) 2014年に出た優先度Sランクの旧作。 これも受験生にはお馴染みの作品だろう。 これまで何度も入試で使われてきてるが 近年も出題がありチェックは外せないよ。 平…

変幻自在な筆さばき『椿ノ恋文』(小川 糸)

「ありがとう、って言葉で人生を終えられたら、幸せだよね」(本文より) たまに出題される作家の11月の新刊だ。 久しぶりに代書屋の鳩子が帰ってきたよ。 今作でも人の心を動かす手紙の書き方が 小説を読みながら楽しく学べちまうわ~。 ま、今作は微妙に…