わたしはさ、差別されるのが黒人だけってとこが気に入らない。白人は差別されないのに。(本文より)
発売日が11月下旬だったんで外したが
桜蔭向けの企画に入れるか迷った新作だ。
かなり平易だけどテーマ注目度がMAX。
主人公の揺れる心情も問題で問いやすい。
学校で人種差別って言葉が飛び交う日や、
母に気持ちを吐露する場面は特に要注目。
ま、そういうあさましい視点から離れて、
純粋に薦めたくなる一冊でもあるんだな。
これはぜひ読書感想文全国コンクールの
高学年の部で課題図書に選んで欲しいわ。
俺の気合レビュー全文はこんな感じだよ。
主人公はケニアハーフの小学5年生。
肌が黒いことでどこへ行っても特別視され、深く傷ついていた彼女が、新しい家族に恵まれともに嬉しい時間を過ごしたことで、心に確固たる強さを育んでいきます。
考えさせられる作品でしたね。
差別の問題が深掘りされ、解り合えない心情が丹念に描かれていて、胸が苦しくなる場面もありました。
特に、気持ちはありがたいけど、でも、そういうことじゃないんだというくだり。
これには身につまされるような思いでした。
一方で、じんわりくる人の優しさに癒されたり雄大な自然に崇高さを感じたりもしました。
すっかり夢中だったのがバレますね。
サブテーマに格差、食育、礼節などもあり楽しい読書の中で大切なことが学べる仕上り。
子どもたちに届いて欲しい気づきが、たっぷりと詰まった作品だと思います。