複雑な感情に踊らされて泣いたり怒ったりすることのない人生を送りたい!(本文より)
20歳で芥川賞を受賞したが中受界隈で
注目されてない作家の6月に出た新作だ。
コロナ禍の中高一貫女子校が舞台なんで
試しにと読んでみたがびっくりしたわ~。
感情を揺さぶるって点ではもうダントツ。
リアルさを追求した会話やあえて狙った
冗長すぎる心情表現がたまにあることで
素材文適性は削がれるが吸引力が抜群だ。
以下は強いて挙げた出題によさげな箇所。
問題に使えるかもしれない場面
序盤△友人家庭の大ピンチを知るシーン
序盤△仲良し留学生が差別を打ち明ける
中盤△定食屋の少年との交流とトラブル
終盤〇マックで仲良し三人組に冷たい風
で、俺のレビューの中盤あたりがコレだ。
友達想いの少女が、意志の通わない母親の不実に歪む家でもがきながら、必死に、まっすぐに、自分にできることを探し求めます。エモさ200%の青春小説ですね。いっぱい傷ついた彼女だからこそ、仲良しが苦しむのは放っておけない!最終章での、親を反面教師にして悩む友人に自分の正義を押し付けることをためらう姿勢には、主人公の成長を感じましたよ。