中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

桜蔭の出題者に選んで欲しい名作たち

普通なら入試の国語素材に選ばれるのは、

前年の夏までに発売された作品になるが、

女子最難関の桜蔭はひと味違うんだよな。

 

2020年出題 前年の7月25日発売

『思いはいのり、言葉はつばさ』(まはら 三桃)

 

2021年出題 前年の11月14日発売

『あしたのことば』(森 絵都)

 

2022年出題 前年の9月8日発売

『そらのことばが降ってくる: 保健室の俳句会』(高柳 克弘)

 

2023年出題 前年の10月12日発売

『ひみつの犬』(岩瀬 成子)

 

こんな具合で桜蔭の出題者が選ぶ素材は

最新すぎて他校が選べない物が多めだよ。

 

わが校は一気呵成に問題を仕上げるから

他さんとは違うって自負があるのかもな。

 

さて、この傾向が今期も続くと仮定して

超名門校に相応しい選書を考えてみよう。

 

近年は小学生が読みやすい作品ばかり

例のリストだと難易度が3か4相当だが

ちょっと遡ると難解な時代モノも出てる。

 

一方で小さい子向けのひらがなだらけの

素材で受験生を仰天させたこともあるよ。

 

まぁ、こんな風に掴みどころがないけど

王道的作品でくると決め打ちしてみたわ。

 

検討対象は9月以降11月中旬迄の新作。

 

2023/10/26発売

『ルール!』(工藤 純子)

当たり前と言われるルールは適切なのか。

信用を勝ち得るためにどうあればいいか。

多様な背景を持つ中学生達が足掻く物語。

 

2023/10/4発売

『アップサイクル! ぼくらの明日のために』(佐藤 まどか)

テーマ的にとくに注目したい問題を扱い、

議論する場面には気づきがあふれている。

著者の作品のなかでは屈指の使いやすさ。

 

2023/9/21発売

『リカバリー・カバヒコ』(青山 美智子)

短編集だが、特に名門校で自分を見失い

腐っていた少年が、頑張り屋な少女との

関わりで自省していく第一話はバツグン。

 

3つだけ挙げてみるとこんな感じになる。

 

 

あとは7月下旬以降の発売という理由で

ランキング順位をあえて低くした作品が

桜蔭の場合には逆に選ばれやすいかもな。

 

その中で特に推したいのが以下の3つだ。

 

2023/8/31発売

『波あとが白く輝いている』(蒼沼 洋人)

 

2023/8/4発売

『かたばみ』(木内 昇)

 

2023/8/4発売

『夜空にひらく』(いとう みく)

 

ま、こんな予想が当たるわけがないけど

少なくとも読み物としては大当たりだよ。