読むことによって世界は広がり、あり得ないものが見え、遠くへ旅し、一度の人生では経験しえない物語を味わえる。(本文より)
5月発売の不思議要素が強めの作品だよ。
麻布の2021年入試で界隈を驚かせた
『緑の子どもたち』所収の短編集ですわ。
『緑の子どもたち』は異質世界で言葉の
通じない者たちが交流を始めるハナシだ。
物語としては後味もよくって魅力的だが
入試の素材としてはかな~り異質な部類。
同様に使い勝手って意味では微妙な話が
多いなか『髪を編む』はちょっとよさげ。
まるっと問題文にできそうな長さだしな。
『髪を編む』のさわり(素材文適性△)
大学生の妹の髪を編んでやる社会人の姉。
受験の日にも気弱になった妹を励まして
髪を編んでやったことを思い出すが・・。
あとは『カドクラさん』も一部いけるか。
この戦争作品はラストの文章に凍ったわ。
俺のレビューの一部抜粋はこんな感じだ。
何度もかみしめたくなること請け合いの、彩り豊かな11編でした。現実とはどこか違った世界を舞台にした物語が多めでしたが、そこはタイトル通り。話の途中で見方がガラリと変わる仕掛けなどもあり、楽しい読書になりましたよ。