中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

特待生が描く夢 『サンドイッチクラブ』(長江 優子)

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サンドアートという砂の彫像づくりを扱う作品で、

集団&個別というダブル塾通いの小6女子が主人公だ。

 

出来る子に囲まれ自信を失いかけていた彼女だったが、

遊びも学びも全力というもの凄い少女に感化されて

目の色を変えてがんばるようになるんだよな。

 

主人公を変えたもの凄い少女のエピソードが面白すぎるぜ。

ひとりで塾に乗り込んで、塾長に実力を認めさせ、

初めての特待生になったっつーんだからよ。

 

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『サンドイッチクラブ』(長江 優子/岩波書店

 

そいつは、みじめな家庭環境をバネにして頑張る。

しかもただ頑張るだけじゃなく、計画的かつ合理的に頑張る、

そんな主役を食っちまうような少女の言葉がこれだ。

 

世界があたしを置きざりにするつもりなら、ダッシュして先頭に立ってやる。(本文より)

 

突拍子もない夢に向かってまっすぐな“尊敬できる友達”が

主人公の生き方にどう影響を与えていくのかにも要注目だ。

 

最後の方の学校説明会のくだりもなかなか良かったぜ。

 

ま、この著者はあんまし出題された実績がないわけだが

6月発売だから、今年以降の入試で出る可能性はあるかもな。

 

≪5/8追記≫この記事を書いた4日後に 学習院女子 で出題されたぞ!

 

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参考:某塾の特待生条件は受験校の指定がある