九十代のおじいちゃんはぼくの隣に座っているのに、スケッチブックのなかでは、十二歳の少年が受験に挑んでいる。(本文より)
著者の祖父が描いたスケッチを元にして、
戦時中の生活をリアルに伝える異色作だ。
絵だけでも小説だけでもできないことが
コラボする効果でこんなにやれるんだな。
戦争のむなしさがよ~く伝わってくるよ。
余談だが、昔の中学受験の話もあったわ。
親の付き添いなしが当たり前だったとか、
新聞に合格発表が載るんでお隣さんから
合格を知らされたなんて逸話もあったよ。
素材文に使えそうな箇所は多くないけど
これはぜひ手にして欲しい本だと感じた。
俺のレビューの書き出しは少しケンカ腰。
それが売り物になるのか?正直、手にするまでは、そんな気持ちがありました。主人公はアメリカ育ちの12歳。好奇心あふれる彼が、祖父の描いた日記風のスケッチ集を手にしたことをきっかけに、自らのルーツにかかわる歴史の1ページを体感することになります。