普段は神頼みしない人でも入試直前期には、
妙に祈りたくなったりするもんじゃねー?
俺も最近ソワソワしちまって変な感じだわ。
自分を信じて越えてきた誇りがあるっつう
詞が熱い二月の勝者のCD買おうとしたり、
入試出題の作品で言えば『受け月』だとか
『空色ヒッチハイカー』を思い出したりよ。
細く伸びた月は、まだ空に昇ったばかりのせいか寝転んでいた。横向きの月だ。両端が吊り上がっており、まるで椀のように見えた。受け月と呼ぶのだとあの人が教えてくれた。願いをかけると、受け月にそれが届くという。
(『空色ヒッチハイカー』(橋本 紡)を一部改変、洗足学園中で出題)
祈ることが人を弱くすると考えていた老監督は、引退試合の日、野球人生で初めてお守りを代打に託した。試合の余韻が冷めやらぬなか、空に細い月がかかっているのを見た彼は思わず立ち止まって手を合わせる。受け月に祈ると、願い事がこぼれないで叶うとという言い伝えがあるのを知っていたから。
地平線近くに浮かぶ細い月が受け月らしい。
で、受け月に願掛けするとこぼれず叶うと。
てなわけで月の出る時刻や方角を調べたぞ。
31日や元日は早朝の6時頃、日の出前の
南東の低い空に受け月が出現するっぽいな。
他力本願を嫌い若手のミサンガを引き裂く
老監督も思わず手を合わせてしまう受け月。
普段ならバカバカしいと笑い飛ばすんだが、
受験生の親としては、願掛けしたくなるぜ。
※今日の6時過ぎだと傾きが大きかったわ。
元日の朝の方が低空でいい形になるんで、
願掛けするなら早起きするといいだろう。
御来光の後は肉眼で捉えるのが難しいし
雲にさえぎられることもままあるわけで
受け月って意外とレアな現象みたいだぜ。