都立白鷗 の同窓会が設立した女子校だ。
中学受験に偏差値が取り入れられた黎明期、
30台後半という数字に危機感を抱きまくって、
改革に挑んだおかげで、今の 鴎友学園 がある。
そんな話が最近読んだ中受の本に出てたぜ。
まぁ、30年以上も前に先手を打てたのは
大成功だったっていえるんだろうな。
今年の入試素材で使われた『アドリブ』は
イタリアを舞台に、両親が日本人という少年が、
フルート奏者めざし国立音楽院でがんばる物語だぜ。
はじめは演奏する喜びに満ち溢れていた主人公なんだが、
いつしか初心は失われて、音楽が苦痛にすらなっちまうんだ。
そんな彼だが優しい母や、よき仲間、尊敬できる師匠のおかげで、
目の色を変えて努力するようになり、スランプを乗り越えるんだよな。
「成功する人間はみな、真剣なだけじゃない。自分の欠点を認め、絶えず向上心のある人間だけだ」(本文より師匠の言葉)
イタリア在住の著者の子が国立音楽院に通っていたただけに、
リアリティはバッチリで、山あり谷ありも楽しめるぜ。
佐藤まどかの作品で特別に印象に残ってるのは
入試素材でたまに使われる『一〇五度』の
こんな示唆に富みまくったセリフだ。
「一番好きなことを仕事にしちゃいかん。逃げ場がなくなる。趣味でやればいいじゃないか」(『一〇五度』本文より)