大人から、大人のように扱ってもらえていると感じる時が、いちばん嬉しかった。(本文より)
今年出版された本では最注目と言っていい。
児童養護施設が舞台の物語文は頻出だって
前にも書いたんだが、朝比奈あすか作品で
施設の話となればもうマークするしかない。
施設が舞台の作品は家族以上の絆みたいな
美談を前面に出すのが多いが、この作品は
主人公の黒い部分も描かれてて一味ちがう。
何せ主人公が途中まで、施設に染まらない、
私は他の子とは違う、とか念じてるもんよ。
祖母の言葉に縛られ医者とか目指してさあ。
そんな子がどんな経緯で自分の夢をみつけ
頑張れるようになるかに注目してほしいぜ。
俺のレビューは読書メーターに上げといた。
入試に出る児童養護施設が舞台の主な作品
『おれのおばさん』シリーズ(佐川光晴)
『世界地図の下書き』(朝井リョウ)
『みつばちと少年』(村上 しいこ)
『四十一番の少年』(井上 ひさし)