もしもウイルスがなかったら、いま、どんな三学期なんだろう、って。そういうのをずっと考えてる。(短編『反抗期』の本文より)
読めばあとからじんわり来るのが重松節。
ただし、この本は早大の教え子たちへの
私信のような話が半分近くを占めている。
とはいえ沁みるメッセージが溢れていて
こんな講義受けてみたいとは感じたな~。
まぁ、大学生への言葉は難度が高いから
小学生に渡す場合は、まず小説だけ読む
ように伝えた方が途中で挫折しなさそう。
六編入った短編集だが、使いやすいのは
『反抗期』と『星野先生の宿題』の二つ。
前者は序盤に?マークがぐるぐると頭を
めぐったけど、だんだん惹き込まれたな。
この本で最も注目しておきたい作品だよ。
後者はラストにかけてが注目ポイントか。
国語教師が面白く星の勉強にもなる話だ。
俺のレビューの後半部分はこんなですわ。
面白さでは、マスクをめぐるクラスメイトの対立に揺れる少年を描く『反抗期』がダントツですね。中盤以降に描かれるそれぞれの事情には、唸るしかありませんでした。『星野先生の宿題』では天文知識をアップデートさせてもらいましたよ。これは著者のファンにはたまらない一冊でしょう。