中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

深みも魅力な本郷選書『君が残した贈りもの』(藤本 ひとみ)

どんな人間も、一つのことに専心すれば自分を超えた何者かになれるかも知れない。(本文より)

 

毎年のことだが、出題作を追っていくと

未知のいい本に出会えるから嬉しくなる。

 

これは今年の郷中入試で使われた作品。

 

探偵チームKZシリーズの著者が書いた

重厚で読み応えのある青春小説だったわ。

 

長編だが謎要素を複数織り交ぜてるから

飽きるヒマもないまま一気読みできたよ。

 

本筋とは離れるけど、野球部の前監督の

卒業後を見据えた教育理念も素晴らしい。

車いすの先輩の願いってのもいいんだわ。

 

KZシリーズの一つだと後から知ったが

過去作品を未読でもまったく問題ないよ。

 

純粋に楽しみながら得るものも多かった。

読むきっかけをくれた本郷の先生に感謝

 

以下は俺のレビューからの一部抜粋っす。

 

主人公は卓抜した数学男子。

他人に関心の薄かった彼が、高校球界の至宝の遺志に心を動かされて、周囲を巻き込んで奔走するという物語です。

藤本ひとみ先生って、ライトな書き手じゃなかったんですね。

詐欺師ばりの頭脳プレーや、熱量高めの野球シーンも魅力でしたが、それだけではない深みが確かにありました。

 

『君が残した贈りもの』感想・レビュー

 

郷中の選書に拍手!(2023/2発売)