想像や夢が、現実を追い抜く瞬間だってあるわ。(本文より)
フレーベル館ものがたり新人賞大賞作品。
輩出している由緒あるもので注目度大だ。
今作は小5の野球少年が不思議な少女に
出会い忘れられない日々を過ごすって話。
とくに幻想的なシーンが印象的だったな。
こっちまで引き込まれそうになるもんよ。
受賞作だけあってやっぱし味わい深いわ。
子どもたちも夢中になるんじゃないかな。
金曜日には書店に並ぶことになるこの本。
俺の先行レビューはこんな仕上がりだよ。
生きているということは、それだけで素晴らしいんだ。
そんなメッセージが直に伝わってきました。
主人公は野球好きの小学5年生。
祖母の暮らす町で、不思議な少女と出会った彼が、夢と現実のはざまで、生涯忘れがたいようなとびきりの時間を過ごします。
鮮やかな色彩がありありとうかぶ夏祭りの情景、素敵でしたね。
堂々としたヒロインが見せる色とりどりの表情も魅力たっぷり。
トモル少年だけでなく、こちらまで惹きこまれそうになるほどに。
そして、大人たちの何か大事なことを隠すかのような違和感の残る言動や、年上の少女にどこかついてまわる異質さへの疑問が氷解していく終盤には、完全に心を持っていかれました。
切なさが胸に迫る一方で、心にあかりを灯し、明日への希望を感じさせてくれる一冊でもありますね。
これを読んだ子の胸には、命の尊さやありがたみがしっかりと刻まれるのではないかと思います。
著者の祈りにも似た願い、たくさんの親子に届いてほしいです。