中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

ボッチに訪れた春『17シーズン 巡るふたりの五七五』(百舌 涼一)

たった一文字、いや一音にそこまでこだわるのかと音々は驚く。同時に、たった十七音しかないのだから、一音一音にこだわり抜かないといけないのだと悟る。(本文より)

 

2024年2月に発売されたばかりの本。

出題実績ゼロの児童文学作家新境地だ。

 

タイトルで高校生モノと誤解しやすいが

17はおおむね俳句を意味してるんだわ。

で、ストーリーほぼ全てが中学生編だよ

 

短歌・俳句扱う作品は入試でわりと出る。

ちょっと思いつくだけでこんだけあるし。

 

短歌・俳句モノのYA本(出題実績あり)

『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』

『そらのことばが降ってくる: 保健室の俳句会』

『私の空と五七五』

『南風吹く』

 

本作はワケありのボッチ少女が主人公だ。

目立たない彼女が目立つ少年と関わって

驚くほどの成長を見せるってストーリー。

 

途中で主人公のこだわりに??となるが

疑問はラストにかけて解けていくだろう。

 

季重なりなどの俳句の約束ごとも学べる。

言葉の置き換えで印象が激変する点など

ビックリするような発見が俺にはあった。

 

優しくあれという先生の信念もいいよ~。

 

とくにラストは見逃して欲しくない本作。

断片だが俺のレビューを以下に付けとく。

 

個性を認められることがどれだけ救いになるか、思い知りましたね。

主人公は極端に内向的な中学二年生。

過去にとらわれ前に進めなくなっていた彼女が、俳句を通じた出会いをきっかけにして、目の覚めるような変化を遂げてゆくストーリーです。

 

『17シーズン 巡るふたりの五七五』感想・レビュー

 

誓い立て めぐる季節よ この夏を(2024/2発売)