ひと月ちょっと前にレビューしたばっかしの作品だ。
ラ・サール や 浦和明の星女子、それに 淑徳与野 なんかでも出たし
今回の入試で最も出題された作品ってことになるんだろうな。
前は簡単に借りられたんだが今は予約が入りまくってるわ。
陸上界で期待の星だった高1男子、新(あき)が主人公だ。
そいつは兄・朔(さく)の事故に責任を感じてヤケになっちまう。
大好きだった走ることも放棄するほどにだ。
で、兄は兄で障がいを抱えるようになり周囲に壁をつくっちまう。
家族や親しかった人の差し伸べる手を、優しさを、拒絶しちまう。
人に頼りたくない、重荷になりたくないってわけなんだなぁ。
母親も動転して言っちゃならないことを言ったりで、
なかなかに軽くないストーリーだぜ。
(失明したのが)どうしてあの子なの、新のせいなのに。(本文より)
まぁ、最後まで重苦しいまんまってわけじゃねーよ。
前半は読むのが辛いかもしれないがな。
読んで楽しい本じゃないが、学びは多い作品だ。
俺の印象だと著者の大切な主張は以下の三点になるぜ。
・素直であることで変えられる人とのかかわり
・相手の立場で考え、思いやることの大切さ
・逃げないと誓う心が生み出すエネルギー