中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

学力は正義ってか? 『亡国の中学受験』(瀬川 松子)

受験産業の中に身を置いた人が鳴らす警鐘だ。

少々、反中学受験に凝り固まってる感はあるが、

中受派の親にも参考になりそうな話はあったぜ。

 

そもそも中学受験に関して世間にあふれる情報はよ、

たいてい利害のある者の色がついてるってんだよな。

だから、中高一貫校をやたら良く見せちまう、と。

 

これは『中学受験』(横田増生)でも言われたぜ。

そう考えると、この本はある意味貴重だわな。

少々ウルサい感があるのは否めないのだが。

 

興味深かったのは、いじめについて書いたくだりだ。

私立じゃあよ、特別勉強が出来る子がかかわったとき

それが加害者でも守ろうとするケースがあるんだと。

 

 

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『亡国の中学受験』(瀬川 松子/光文社)

 

あと、アンケートに回答のあった元教え子33名のうち、

いじめを見聞きしたことがないのは2名だったそうだ。

まぁ、どこにでもトラブルはつきものってことだな。

 

“語られない中学受験のデメリット“の章は良かったぜ。

 

子どもがどこにつまづいているのか解らないままで、

闇雲にコマ数を増やしてもカネの無駄だとかな。