近年、入試で出るようになり、今年出まくった作家が いとうみく だ。
『かあちゃん取扱説明書』なんかで知ってる人も多いんじゃねーか?
面白おかしい作品群と、重いテーマの作品群に分類できるんだが、
入試で狙われやすいのは断然、重い方だ。
今回の入試で最頻出だったと思われる『朔と新』以外では、
『空へ』『カーネーション』『羊の告解』『トリガー』あたりだな。
『空へ』は1/2にレビューしたんで今回は『カーネーション』。
これは、娘を愛せない母と、母に愛されたい娘の葛藤を描いた作品だ。
ちょっとばかし要約してみるぞ。
母のいる家は、主人公の中1少女にとって、いつだって緊張するところ。あんまりな扱いを受けるから。
どんなに言うことを聞いても、気を使っても、がんばっても、無理をしても、母子の関係は少しも好転しない。
もう限界だと感じた彼女は、ついに、ある決断をする。
戦慄すら覚える内容だよな?
このセリフとか切なすぎんだろ。
お父さん。あたし、お母さんに好きになってもらいたいって思うことが、まちがってたんだって気づいた。(本文より)
まぁ、こんなのも入試に出たことがあるんで覚えとくといいかもな。
ちなみに、『羊の告解』は父親が殺人容疑で逮捕される話だが、
こんな超のつく重い作品も名門中入試で出てるからな!