中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

しあわせを願う意味『風に立つ』(柚月 裕子)

恵まれた人生と充実した人生って同じじゃないのかもな。(本文より)

 

ミステリや推理モノで有名な作家の新作。

 

入試でほぼ見ない先生なんだがこの本は

ちょっと使える要素が混じってるんだな。


地域一の進学校に入学したものの問題を

起こし南部鉄器工房に流れてきた少年の

更生に向き合う人びとを描いた小説だよ。


主人公は38歳の職人、少年は16歳だ。

 

問題少年に関わりたくないと思っていた

主人公がどう変わっていくかに注目だわ。

 

問題を起こして高校を追い出された彼を

追い詰めたものの正体ってのが驚愕モノ。


ボタンのかけ違いってせつないもんだな。


ま、これは子どもより親が読むべきかも。


書店では一般文芸コーナーにあるんだが

平積みになっていて存在感が抜群だから

たぶん作問者も気づくんじゃないかな?

 

難易度では難しいに分類されるこの作品。

俺のレビューの感想パートはこんな感じ。

 

どう生きるべきなのか?

親として勧めたい道筋は確かにありましたが、この作品に触れ、はたと立ち止まりました。

やはり、何が正しいのかなんてわからない。

けれど、もし進む道に迷ったら子どもの心からの幸せを判断基準にすれば、とんでもない間違えにはならないのではないかと感じるようになりました。

大切なのは頭ごなしに決めつけないことであり、価値観を押し付けないことですね。

そのためにも、子どもの声にきちんと話に耳を傾けることが何より大切なのだと得心しました。

 

『風に立つ 』感想・レビュー

 

一般文芸カテゴリの勝ち組作品(2024/1発売)