中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

聖光学院中 で出題『山を刻む』(伊与原 新)

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『月まで三キロ』所収の短編『山を刻む』(伊与原 新/新潮社)

 

嫁いで30年、傷つきボロボロになった女性が主人公だ。

家族みんなに心をえぐられ続けた彼女は、ついに限界になり、

誰にも相談せずに”最も自分らしくいられる場所”を訪れるんだ。

 

そこで、ありえないほど自由な学者師弟に出会った主人公は、

これまでの生き方の間違いに気づき、大きな決断をする。

彼女のすがすがしいまでの変わりように注目だぜ!

 

なぜわたしは、自分の人生を生きているところを、あの子たちに見せてやらなかったのか。(本文より)

 

親のすべきことは、人生は生きる価値があるってことを、

自分の人生をもって教えることだってのは、森絵都

みかづき』でも物語の最重要ポイントだったな。

 

※塾小説『みかづき』は、2018年の頻出作品。

 

しっかし 聖光学院 も、えげつない作品出すよな~。

結婚30年って女性の複雑な心境を小学生に問うんだからよ。

学者の弟子の本音にしたところで読み切るのは容易じゃないぜ。

 

この『月まで三キロ』って作品集、小学生には歯が立たない難易度だが、

小6受験生が主人公の『アンモナイトの探し方』なら読めるかもな。

 

ま、他の短編も地学分野の雑学が織り込まれてて面白いぞ。

普通の人が知らない降水確率0%の本当の意味だとか、

大昔には月に裏も表もなかったって話とかな。

 

※以下のサイト、おすすめだぜ!

pooh70inu.hatenablog.com